■世代によって受け止め方に違いが

 平成もあとわずか、昭和はさらに遠い時代に…と懐かしむ人が多いのか、“昭和の時代”を堪能できるスポットが相次いで登場しています。

 取材班が初めに向かったのは岐阜県高山市。去年11月にオープンしたばかりの『飛騨高山レトロミュージアム』です。

 昔、薬局の店頭に置いてあった佐藤製薬の「サトちゃん」やエスエス製薬の「ピョンちゃん」など、昔懐かしいマスコットが出迎えてくれます。

 看板などが所狭しと並ぶ部屋を抜けると、まずは学校の教室。給食に使われたアルミ製の食器、黒板、木琴、エレクトーン…昭和の匂いたっぷりです。

 このミュージアムに展示されているのは昭和20年代から50年代のモノ。オーナーが趣味で集めました。

 ほかにも、インベーダーゲームや白黒のテレビもあり、同世代の人はもちろん、この時代を経験していない若い人たちにも昭和の良さを知ってほしいという思いで作ったそうです。

 昭和の時代には当たり前だった赤電話も若い人たちには新鮮に映ります。

若い女性客:
「すごい変わってる。なんかすごい不思議です、知らない世界がいっぱいだから」

 そして2階には昭和のおもちゃで実際に遊ぶことができる専用のスペースも。

 今やお宝ともいえるレトロなおもちゃがたくさんあり、昭和を知る人は童心にかえり、知らない人にとっては新しい体験となるようです。


■誰もが食べた“給食”は話題の宝庫

 昭和の思い出といえば外せないのが、昭和25年から本格的に始まった学校給食。これを再現したグルメスポットが今、人気を呼んでいます。

 名古屋市中区栄に去年9月にオープンした『個室家座香屋 6年4組 栄分教場』。

 店内は昭和の小学校をイメージした作りになっていて、部屋は「職員室」や「音楽室」などテーマ別に再現。メニュー表は出席簿、お盆もアルミ製になっているなど細かい演出も…。

 そして、黄色い帽子をかぶったり、ランドセルを背負ったりすることもできます。

3人の女性客:
「小6です~6年4組です!」

Q.ちなみに年齢は?
「大学2年生です。20歳です…」

 肝心の給食メニューはクジラのカツや揚げパン。定番のソフト麺は懐かしいミートソースとの組み合わせで食べることができます。

 世代によって微妙に違うメニュー、お客さん同士はどんな会話をしているのか聞いてみると…。

<年配の男性と女性のグループ>

男性:
「クジラの竜田揚げって出なかった?」

女性:「出てないと思う…」

もう一人の男性:「冷凍ミカンは?」

男性:「冷凍ミカンは覚えがないな~」

<若い女性のグループ>

女性:「揚げパンまだあるのかな?」

別の女性:「揚げパン?ない!なに?揚げパンって?」

女性:「ないの?揚げパン、砂糖ときな粉がまぶしてある…」

別の女性:「えっ?やだ、ベタベタしてそう(笑)」

 5月には“新しい時代”を迎え、さらに遠くなる昭和…。皆さんもこの機会に思いをはせてみてはいかがですか?

飛騨高山レトロミュージアム

住所
岐阜県高山市神明町4-7
入館料
大人600円(高校生以上) 子供400円(中学生以下) ※3歳以下無料

個室家座香屋 6年4組栄分教場

住所
名古屋市中区栄4-5-8