■名物・露天風呂のイメージはシンガポールの“あのプール”
全国のスーパー銭湯の“元祖”とされているのが、名古屋市守山区のスーパー銭湯「竜泉寺の湯」。
平成2年にそれまで別料金だった銭湯とサウナをセットにして、全国で初めて「スーパー銭湯」と初めて名乗ったのが竜泉寺の湯だと言われています。
そしてもうひとつ、ブームになっている炭酸泉も2000年に竜泉寺の湯が初めて導入したそうです。平成の最初にできたスーパー銭湯のパイオニアが、平成最後の冬に大きくリニューアルしました。
竜泉寺の湯は12月27日にリニューアルオープンし、名称も「天空のSPA HILLS 竜泉寺の湯」へ。半年かけて全面改装し、広さは以前の1.5倍に。高級和風旅館をイメージした内装に改装しました。

ポイントのひとつが「名物の露天風呂」。リニューアルで絶景を楽しむことができるようになりました。創業当時は、外から見えないよう植木とすりガラスが設置されていて、湯船から景色を見ることができず、10年前に一度リニューアルしたときも、柵は残ったままでやはり湯船から外は見られませんでした。
しかし今回、柵が全て取り払われて湯船に浸かりながら景色が眺められるようになったんです。天然温泉にゆったり浸かりながら、眼下に広がる街並みを一望できるように。天気がよければ御嶽山まで望めます。
ちなみにこのつくりは、シンガポールの有名なプール、ホテル・マリーナベイサンズにある「インフィニティプール」がイメージ。
竜泉寺の湯 松永尚忠さん:
「この露天風呂は名古屋の温浴施設の中で一番高台にありまして、『名古屋の別天地』と謳っていたんですけど、壁があったためにお風呂に入った状態で景色が見えなかったんですね。それが僕も非常に気になっていまして、本当の別天地をつくるために今回改修しました」

2度のリニューアルでついに“究極の別天地”が完成。しかしこの露天風呂の魅力はこれだけではありません。夜になると全く違う光景が広がります。浴槽内にLEDが設置されていて、7色に点滅。水面が揺れるとまるでホタルのようです。
そして、湯船の向こうには夜景の輝きが続いています。昼間とは全く違うロマンチックな雰囲気を味わうことができるんです。さらに、全体を間接照明で照らすことで幻想的な空間に。まさに非日常を味わうことができます。
■担当者「愛知県で一番大きな炭酸泉の浴槽」
絶景風呂以外にも様々な種類の露天風呂があります。泡が体に心地よい刺激を与えてくれる「あぶくの湯」。
細かな気泡で肌触りがいい「シルクの湯」、信楽焼の大きな壷に入る「美泡(びほう)の壷」など、7種類。
そして内湯も充実。6つの浴槽がありますが、特に大きく変わったのが炭酸泉です。竜泉寺の炭酸泉といえば…。
竜泉寺の湯 松永尚忠さん:
「2000年に全国で初めて導入したのが当店で、ちょっとぬるめのお湯なので入る方が長時間入るんですね。だからなかなか空かないので、浴槽を大きくして、露天風呂にも大きな炭酸泉をつけて、愛知県で一番大きな炭酸泉の浴槽をつくりました」
まさに炭酸泉の元祖としてのプライドをかけたリニューアルで浴槽を大きくしました。
館内も至るところでリニューアル。 新しくできた「フォレストヴィラ」は、中学生以上限定の有料休憩エリアがあり、入浴料にプラス500円すればマンガ・本・雑誌、合わせておよそ1万冊が読み放題、時間も無制限です。

■“岩塩”で囲まれた岩盤浴も…
さらに岩盤浴も充実しています。韓国式サウナ「汗蒸幕(ハンジュンマク)」は室内温度およそ90度。短時間で汗ビッショリになるのが汗蒸幕の特徴です。
そして、温熱療法にも使われるゲルマニウムを敷き詰めた岩盤浴「アロマゲルマ&ビューティー」は、温度が50度ぐらいで、長い時間かけじっくり汗をかいてデトックスできそうです。
レンガのように見える岩塩で囲まれた「アロマソルト」では、天然ミネラルたっぷりの岩塩で体を芯から温めることができます。
また、ヨーロッパでよく知られる塩分を含んだ蒸気で満たした部屋「アロマザルツ」は女性限定。ほかにも床暖房の部屋「アロマオンドル」や、クールダウン専用の部屋「アロマクールダウン」もあり、ゆったりくつろぎながらデトックスできます。
館内には、子供がもちろん楽しめるスペースも。キッズスペースやゲームコーナーもあるので、夫婦で岩盤浴の間に、おじいちゃんおばあちゃんが子どもと遊んで待つなんてこともできそうです。
グルメも今回のリニューアルで充実。メニューは100種類以上と倍増し、様々なジャンルがそろいます。ジャンル別の人気メニューは、「和食」がスッキリした辛さが後を引くカレーうどん。「和定食」は、“うちたて・ゆでたて”の自家製そば3種盛。「中華」は、野菜たっぷり広東麺「韓国料理」が、寒い時期にあったまるスンドゥブです。
リニューアルした“元祖”スーパー銭湯「竜泉寺の湯」。みなさんも一度訪れてはいかがでしょうか。