■うにの“盛り合わせ”が…

 今、一つの食材に特化したグルメ専門店が続々オープンし、人気を集めています。


 去年11月、名古屋市中区栄にオープンしたのは何とも珍しい“うに”の専門店「うに横丁」。

 一番の人気メニューが、「うに刺し4種盛り」。見た目からして贅沢の一言!4つとも「エゾバフンウニ」ですが、獲れる場所によって味が違い、食べ比べすることができます。

 北海道の東部「浜中産エゾバフンウニ」は、強い甘みがあり、溶けたあと、口にはフルーティーさも残ります。

 朱色が特徴の「函館産エゾバフンウニ」は、うに独特の苦みが強く、「浜中産」とは真逆の味。

 甘くて身が詰まっているのが特徴の「厚岸産」、粒が大きくてあっさり味の「羅臼産」と同じウニでもかなり違いがあります。

 さらに、専門店ならではのメニューが、「うにしゃぶ」です。

 実に豪華な「うにのしゃぶしゃぶ」は、昆布でだしをとった鍋にさっとくぐらせていただきます。生で食べるうにとは全く違う食感です。

店員の男性:
「熱いお湯にくぐらせると、うにの身が締まるので、甘みが強く感じられます」

 さらに、ウニをどっさりと乗せた霜降りの馬肉やアツアツのホワイトソースのグラタンにイクラとウニを乗せたグラタンなど、アレンジメニューを楽しむことができます。

■名は体を表す店の名物が…

 そして、去年4月にオープンした名古屋・今池の「チキンモンスター」。看板には、“名物ビア缶チキン”と書かれています。

 このお店は、鶏料理の専門店で、唐揚げだけでも「もも」「せせり」「すなずり」と部位別に味わうことができるほか、名古屋人にとっては欠かせない手羽先もありますが、“ビア缶チキン”とは…?

女性客:
「まず出てくる様子が…インパクトがヤバいんで」

別の女性客:
「登場のインパクトがすごい」

 お客さんのほとんどが思わず写真で撮りたくなってしまうという、この店一番の“ビア缶チキン”。何と、まるまる一羽の鶏が 缶のようなものに刺さっています。

男性店員:
「ビールの缶です。缶にビールが入っていて、オーブンで蒸し焼きにすると、ビールの酵母で肉が柔らかくなります」

 この料理はアメリカのバーベキューの定番で、缶に半分程度ビールを注いだうえに鶏をセットし、オーブンに入れて蒸し焼き状態にすることで、ビール酵母を含んだ蒸気が肉を柔らかくしてくれるそうです。

 まず「もも」の部分を食べると、ビールの効果か、肉がかなりふっくらしていて、柔らかい食感です。

 一羽まるごとなので、むね肉、手羽元、背骨などいろんな部位を食べ比べして楽しむことができます。

 女性でもかぶりつくように食べるお客さんがほとんど。ジューシーでビールもすすむ「ビア缶チキン」、ぜひ一度試してみては…。

 こうした専門店が人気になっている理由は、お客さん側は、「ひとつの食材に特化することで高い質の料理を味わえる」ことや「珍しい部位や食べ方が楽しめる」こと。

 一方のお店側は、「大量仕入れで価格を下げられる」ことや、「食材ロスが少なくて済む」といったことがあるようです。