■「野球盤」の進化に注目集まる

 平成の最後に“昭和ブーム”が再燃していますが、「ゲーム」や「おもちゃ」の世界でもその現象が起きています。

 昨年度、オセロは約19万個、ラジコンも約10万台売れたそうです。

 そんな中、これまでに1400万台以上売れた「野球盤」が60周年を迎え、再び注目を集めています。

 去年発売された最新版の進化のスゴさは、“往年のプレーヤー”であるお父さんたちも驚くこと間違いなしのようです。

 まずは野球盤の歴史を調べに、発売元のエポック社へ。

「初代」野球盤の復刻版を見せてもらうと、なんとグランドも、フェンスにあたる枠も「木製」。枠は家具職人が作成したそうです。そして選手や審判の人形は…?

エポック社企画開発室 古田望さん:
「人形もよく見てもらうと『こけし』なんですけれども、こけし職人さんがひとつずつ削って作ったと聞いています」

 日本の伝統工芸「こけし」の技術も使われていました。当時の価格は1750円。大卒の初任給が1万2000円程度だったことを考えるとずいぶん高いおもちゃですが、飛ぶように売れたそうです。

■「野球盤」には当時のプロ野球の様子も…

 その後は毎年のように新商品が登場。

 72年のオールスターに出場した選手が描かれた野球盤。サードには長嶋茂雄さん、そして、ドラゴンズの谷沢健一さんの姿も。野球盤の代名詞、“消える魔球”も登場しました。

 人工芝や、天井のあるドーム球場など、野球盤はプロ野球の歴史とともに歩んできました。

 テレビゲームの台頭などで一時、売上げも低迷しましたが、2000年以降は人気が回復したといいます。

エポック社 古田さん:
「野球盤はピッチャーとバッターで顔を合わせて相手の顔色をうかがいながらの真剣勝負。それが楽しみで買って下さっていると聞いています」

■最新版はピッチャーの球が“宙を飛ぶ”

 そして、野球盤60年目の最新版は大きく進化を遂げていました。

 一番の進化は「宙飛ぶ」ボール!ピッチャーの投球が宙を飛び、コースも高さやイン・アウトなど9つから選べるようになり、バッターとのかけひきがこれまで以上に楽しめるように。

 さらに球速や配球チャートも表示されるようになりました。もちろん、“往年のプレーヤー”を喜ばせる「消える魔球」も健在です。

「アナログな部分を変えず、3世代で遊べるおもちゃを目指してきたことがロングランに繋がった」と話す古田さん。今後は、野球盤をどんどん本物の野球に近づけることが目標だそうです。