■意外と割合高い“通年かき氷店”

 夏のスイーツであるはずの「かき氷」が最近では、冬にも食べる人が増えているらしい…。そんな噂を聞き、名古屋のかき氷店を調査しました。

 まずは、街で冬のかき氷について聞いてみると…。

Q.冬にかき氷食べますか?

男性:
「かき氷!?冬に?ほとんど食べないな」

女性:
「食べないです。寒くないんですかね?」

別の女性:
「食べるっていう発想がなかったです」

 取材したところ、「冬にかき氷は食べない」という声が圧倒的でした。

 しかし、一般社団法人日本かき氷協会によると、実は愛知県のかき氷店21店舗中14店舗で、1年中かき氷が食べられるそうです。

 東京は87店舗のうち37店舗、大阪は23店舗のうち10店舗と、割合が高いことがわかります。

■「冬のかき氷の方がおいしい」…納得の理由

 1年中食べられるということは、やはりお客さんがいるのか…。夏に大盛況のかき氷店に行ってみました。取材に訪れたのは、名古屋市中区・大須の 「かきごおり専門店 あんどりゅ。」

 店をのぞいてみると……まさかの大繁盛!店のあっちにもこっちにもかき氷を食べているお客さんがいました。まずは、最も気になる疑問をぶつけてみました。

Q.寒くないんですか?

女性客:
「夏だと混んでいて落ち着かないんですけど、冬だとちょうどいいくらいの人混みで、落ち着いて食べられるからすごい良いかなぁと思って」

男性客:
「ザクザクしていなくて、頭痛くなったりとかしないので、すごい食べやすいなぁって。食後のデザートですね、ホントに」


 寒いかどうかの答えはありませんでしたが、冬だと並ばずに済む、食後のデザートなので季節は関係ない、など様々な意見が聞こえてきました。

 さらに、店の社長からは「冬のかき氷の方がおいしい」と、想像を超えたお話も…。

あんどりゅ。澤幡昇志代表:
「夏に使えない氷というのが、冬に使える氷にかわるので。氷の産地によっても、使える氷・使えない氷があります」

 実は、かき氷の氷には夏用と冬用があり、冬用は夏用よりも気温や湿度の低い所で、時間をかけて作られているため純度が高く、溶けにくいというメリットがあるそうです。

あんどりゅ。澤幡代表:
「氷が溶けにくいので、ゆっくり食べられますね。夏のかき氷よりも、冬のかき氷の方がおいしいんですね」

 おいしい冬の氷を使ったかき氷。お店のイチオシメニューが、冬限定の「らずべりーちょこ」(800円 2月18日までの期間限定)です。

 華やかな見た目に驚き、味は濃厚、そして氷もふわっふわで、まるでケーキのよう。冬のかき氷は、“シャリシャリふわっふわ”が長持ちし、人気になっているようです。

■“旬の冬”だから食べられるかき氷も

 しかし、かき氷協会によると、「冬かき氷」の魅力は、ほかにもあるそうです。

一般社団法人日本かき氷協会代表・小池隆介さん:
「今のクリームとか以外には、その時期の食材を使ったかき氷が人気になって、それを求めて食べに来る方が増えていますね」

 名古屋・名東区一社の「カフェ サブヒロ」では、そんな旬の食材を使ったかき氷がありました。

女性客:
「かき氷を食べているという感じはないです。スイーツを食べている感じで、口の中で幸せがとろけます」

男性:「初めての食感です」

別の女性:
「ふわっとしていて、スイーツみたいでおいしいです」

 と、全員が大絶賛!そのかき氷とは、その名も「ちょっと贅沢な苺づくし氷(3000円)」。氷が見えないほどのいちごで覆われたかき氷です。

 酸味と甘みが異なる4種類のいちごを10個使い、特に粒が大きなものをそれぞれ一番おいしい産地から仕入れるこだわり。

 そしてシロップも、いちご本来の味を活かすために、店で手作りしたものを使っています。

 普通のいちご味のかき氷とは全く違う、本物のいちごをふんだんに使ったかき氷。これは旬の冬だからこそ食べられるというわけです。

 冬にかき氷を食べたい…。

 名古屋では冬かき氷のスタンプラリーも行われていて、これからもっと人気を呼びそうです。