冬のレジャーと言えば、スキーやスノーボードが思い浮かびますが、実は今、『キャンプ』をする人たちが急増中。寒い冬になぜキャンプなのか…。取材をしてみると意外な魅力に気づかされました。

■“冬キャンパー”の寒さ対策は万全だった

森夏美アナウンサー:
「2月中旬まだまだ上着が手放せない寒い日々が続きますが、三重県いなべ市のキャンプ場にやってきました。寒い中、テントがずらーっと奥まで並んでいます!」

 やってきたのは、三重県いなべ市の「青川峡キャンピングパーク」。名古屋から車で1時間半のキャンプ場です。

 この日の最高気温は6度と、とても寒かったんですが、予約は一杯!40組130人以上のキャンパーたちが訪れていました。

 豊田市からやってきたという5人家族のところにお邪魔すると…。

森アナ:
「うわー、ちょっと待って…キャンプじゃない!今のキャンプはこうなんですか?おしゃれなお家のキッチンみたいです」

 持ってきた机や家具は、ナチュラルテイストにコーディネート!でも、どうして冬キャンプなんでしょうか?

豊田から来たキャンパー:
「子供が2月に誕生日で、長男に『ディズニーランドかユニバーサルかどっちいきたい?』って聞いたら『キャンプ』って言ったから、じゃあ行くしかないと。冬キャンプチャレンジするか!と思い、来ました」

 キャンプ歴は4年と言いますが、今回が初の“冬キャンプ”。その寒さ対策は…?

森アナ:
「うわーコタツ!テントの中にコタツがあります!」

 テント内には、こたつと電気ストーブ!こちらのキャンプ場には、コンセントがあり、家電が使えるんです。他に、電気毛布や電気カーペットも…。中には石油ストーブを持ち込む人もいました。

 そして、こんな工夫をする人も…。

何かを組み立てているキャンパー:
「“コット”です。直接地面に寝ると寒くなるので、スペースを作って下から体が冷えないように。ようはベッドですね」

 さらに、取材を進めると驚くべきものが!

森アナ:
「別世界ですね、温かい!もうお家の室内ですね。テントの中に“薪ストーブ”があります!」

大阪から来たキャンパー:
「不便なところにこれだけの道具を持ってくるっていうのも変な話なんだけど、この薪ストーブとか、冬に来ることで暖かさを感じることが出来るのはいい事かな」

■わざわざ冬にキャンプに来るワケとは…

 こちらのご家族、一酸化炭素中毒にならないよう常に換気をしていて、万一に備え、濃度の上昇を知らせてくれる機械も使っていました。でも一体どうして、ここまでして冬キャンプに来るのでしょうか?

キャンパーの女性:
「(夏に比べると)キャンプ場がすいていて、予約が取りやすいんです」

キャンパーの男性:
「虫が少ないのが好きなんですよね」

 そして、迎えた夜。やっぱり冬に食べる温かいご飯は最高!テントの中で鍋をつつきながら会話も弾みます。

 キャンプ人口は5年連続増加中で、2017年は推計840万人!中でも12月から3月に楽しむ人が急増しています。取材したキャンプ場でも…。

青川峡キャンピングパークの担当者:
「4年前の数字を見ますと2月の1ケ月間でテントで泊まる方が17組という数字だったのが、今年に関しては2月で約200組くらい。10倍以上に伸びています。キャンプブームっていう流れから夏でも冬でもキャンプを楽しみたいという方がいますね」

 キャンプ歴2年半だという名古屋から来た女性も、魅力に取りつかれてしまったようで…。

名古屋から来たキャンパー:
「むちゃくちゃはまってて、“沼”です。本当に沼にハマちゃったみたいな」

森アナ:
「服、靴や化粧品を買うではなく?」

名古屋から来たキャンパー:
「服とかじゃなくて、物欲は今キャンプのものに…」

■ショップでは数万円の薪ストーブが月20台売れる

 こうしたキャンパーが多いのか、冬キャンプブームの波は、アウトドアショップにも!

 去年春、愛知県内にオープンした店では、週末になると冬に楽しめる商品を探す多くのお客さんが…。

女性客:
「冬キャンプしたいから、冬使えるギアを見たいなと」

男性客:
「冬キャンプは子どもが小さいからやっていないけど、これからやりたいです」

 何とこのお店では、5万円から10万円もする薪ストーブが、月に15台から20台も売れているといいます。ほかにも人気なのが、燃えにくい素材で出来た、焚き火用のジャンパーやテントの中でも足元を温かくしてくれるダウンのスリッパ…。

アルペンアウトドアーズの店長:
「想像以上に冬を楽しまれる方が多いなって(キャンプは)一過性の物ではなくて、ライフスタイルとして楽しむ方が増えてきているので、このまま長く続くんじゃないかなと思っています」

■究極の形『雪中キャンプ』

 さらに、究極の冬キャンプを求めてやってきたのは岐阜県郡上市高鷲町!

 雪山を越え、さらにスノーモービルに乗り換え、林を抜けた先にあったのは、標高1000mの銀世界です。ここは雪中キャンプ場「ウッドマッチム」。

ウッドマッチムの本田さん:
「スノーモービルでしか来られないような場所で雪中キャンプをして頂くっていうことで、この大自然をよりゆったりと過ごして頂けるように、一組のみで営業しています」

 およそ1万平米の広大な土地に冬は1日たった1組限定、完全貸切のキャンプ場なんです。

 この日の宿泊は、大阪からやってきたご夫婦。雪中キャンプは初めてです。

 気温2度の中、風を防ぐための「雪のシェルター」を作って、その後は雪遊び!楽しみ方は雪中キャンプ場ならではで、動いたら暖かくなって体がポカポカしてきます。

 そして夜には、たき火…。

大阪からきたキャンパー:
「雪中キャンプ初めてだけど想像以上にいいですね。キレイだし空気が澄んでるし。何とも言われへん」

 冬の空気の中であたる“焚き火”は幻想的…。これぞ、冬キャンプ最大の贅沢だったのでした。