オープン戦も佳境に入り、ますます盛り上がりを見せるプロ野球。

 ファンも待ちに待ったシーズン開幕まであとわずか。ドラゴンズも今シーズンどこまでやってくれるのか期待が高まりますが…。

年配の男性ファン3人組:
「最下位(予想)でも、抜けとるんだわ。ダントツで最下位。ワハハハハ、悔しくないか、悔しく!本当にもう」

男性ファン:
「5位か6位。誰も打てないもん、どうもならんもん」

 そう、ドラゴンズファンは怒っているんです!

 17日までのオープン戦の成績は4勝8敗1分で12球団中10位…。チーム打率も12球団で最下位と散々な結果に…。

【18日時点 ドラゴンズのオープン戦成績】
・4勝8敗1分 12球団中10位
・打率 .204(最下位)
・防御率 3.49

 そして、オープン戦で最下位に沈むタイガースファンでさえも…。

阪神ファンの男性:
「こんなこと言ったらドラゴンズファンに怒られちゃいますけど、なんかね、『こうすれば強くなる』っていうイメージが沸いてこないんですよね、大変失礼なんですけど…」

別の阪神ファンの男性:
「そんなに補強もしていないので…厳しいのかなと、フッフッフッ」

 と、なんとも酷い言われよう…。

 さらに、専門誌の週刊ベースボールは「先発陣の離脱多発で大ピンチ!?」、「『最下位予想』にもはや疑いの余地なし」、「投手力も圧倒的に見劣りする」などなど、なんとも辛辣なコメントのオンパレード。

 大きな補強がない中、移籍したガルシア投手、ケガで調整が遅れている松坂投手、小笠原投手など昨シーズンの中心投手が離脱し、大ピンチ。

 本当に「ドラゴンズ」が最下位になる可能性があるのか?

 一方、去年は最下位、今年のオープン戦でも、18日時点で最下位に沈むタイガースは今シーズン、矢野新監督でチーム再建を図ります。

 矢野監督はかつて、ドラゴンズに在籍し、山本昌さんとバッテリーを組んだことも。そこで、昌さんが2月に沖縄・宜野座のタイガースキャンプを取材。ドラゴンズのために「偵察を」と思いきや…。

山本昌さん:
「あなたのフォームは、何が素晴らしいってラインが素晴らしい!」

 なんと昌さん、タイガースの若手投手に直接アドバイス。さらにコーチには…。

昌さん:
「さっき飯田投手が、チェンジアップを一生懸命投げてたじゃない?あれ、練習してるんじゃないの?」

コーチ:
「去年の秋季キャンプから練習してます」

昌さん:
「もしあれなら教えようか?俺のスクリューボールでも」

 コーチも突然の提案にビックリ!“伝家の宝刀”スクリューボールを直伝…これではまたドラゴンズの敵が強くなってしまうのでは…。

 昌さんはこの日、ブルペンに滞在すること2時間以上。最後に、矢野新監督にも直撃しました!

矢野監督:
「なんか楽しいというかこの選手たちが伸びていったらどんなチームになるのかなとか、期待感の方が多いのですごく楽しみですね」

 投手陣について聞いてみると…。

昌さん:
「(いい投手が)指を折っていくだけで10人近くいるんだけど?」

矢野監督:
「10人以上たぶんいると思うので、開幕投手は僕の中で何も決めていないのでランディー(メッセンジャー)がする確率は高い部分もあると思うんですけど、いやいや若いピッチャーでも結果を出せば(開幕投手を)やるよとは言っているので。下の(若い)ピッチャーをあおっていきたいと思っています」

昌さん:
「贅沢な悩みですね。投手陣に関しては僕も色々なキャンプ見てきたけど(阪神は)ちょっと球の力のあるピッチャーが本当に多いというのが感想です」

矢野監督:
「昌さんにそう言ってもらえると嬉しい」

 と、矢野監督もチームの底上げに手ごたえを感じている様子でした。

 ところで、ドラゴンズは大丈夫なのか?今年の投手陣をタイガースと比較してみると…。

 去年、ドラゴンズは63勝で5位、阪神は62勝で最下位でしたが、ドラゴンズはチーム勝ち頭で、13勝したガルシア投手が抜け、6勝の松坂大輔投手、そして5勝の小笠原投手も戦線を離脱。

 そのガルシア投手は、タイガースへ移籍、さらに、バファローズからFAで去年10勝の西投手も入りました。

 ドラゴンズの投手陣について昌さんは…。

昌さん:
「松坂投手が故障で外れていたり、小笠原投手もそうなんですけど、ただ、昨年力を出せなかったピッチャー、柳投手や大野投手、こういうピッチャーが今年はいいんですよ。その中で笠原投手なんかも非常に力をつけてきています。笠原投手は、キャンプの後半ちょっと打たれたんですけど、名古屋に帰ってきて、最初のオープン戦で140キロ超えていたんですよね。昨年は137、138キロが最高だったんですよね。腕が振れていて、チェンジアップがよく落ちているので、今年は絶対2ケタ勝ってもらわないと。そういう上積みのある投手がたくさんいるので、タイガースとの差はそんなに気にしていないですよ」

 投手陣には期待が強い昌さん、オープン戦では勝てない試合が続いていて目立たないものの、実はセリーグ6球団の中では防御率は1位。

【18日時点 オープン戦の防御率】
1位 ドラゴンズ  3.49
2位 カープ    3.50
3位 ジャイアンツ 3.86
4位 スワローズ  3.97
5位 タイガース  4.02
6位 ベイスターズ 4.19

昌さん:
「あとはシーズンに入って、中継ぎ、抑えの役割分担がしっかり決まれば軌道に乗るんじゃないかと」

 逆に去年は好調だった「打線」が昌さんも不安視。

昌さん:
「打線がミズモノだというのは、評論家の方々も分かっているので、現状では評価が低いわけですよ」

Q.オープン戦のドラゴンズの打率は2割を少し超える程度ですが?
昌さん:
「ただ、オープン戦と公式戦というのはベテランが多いほど変わってくるので打撃陣がピリっとすれば、十分、Aクラスはあると私は思います」

 6年連続のBクラスを抜け出せることができるのか…。

昌さん:
「そろそろ投手陣も世代交代をやってきて、今年新しい戦力が2人、3人と出てきたら…昨年、スワローズも(事前の)評価は低かったですけど、2位でしたし。ほんのちょっと戦力の上積や、ケガ人によっても順位がコロっとかわります。現状は、最下位って言われていたほうが気が楽じゃないですか。ピッチャーががんばってくれれば、ナゴヤドームはディフェンスが強いチームが勝てる球場なので、そういう伝統は後輩たちが復活させてくれると思うので、大丈夫だと思います」

Q.最後に昌さんのドラゴンズの順位予想は?

昌さん:
「私は3位か4位だと思っています。3位と4位の間はほんの少し、ただ、今は4位に甘んじているかな。この中で根尾くんあたりが活躍すると変わるかな。いやでも、優勝の可能性だってないわけじゃないですから」