■女性客の姿も目立つ“ちゃんぽん専門店”

 ちゃんぽんといえば、イメージが強いのが「長崎」。しかし、実は全国に20種類以上のご当地ちゃんぽんがあります。

 そして各地からやってきた“ちゃんぽん専門店”が名古屋に相次いでオープン。人気を呼んでいます。

 まずは、ご当地ちゃんぽんブームの先駆け的存在の、佐賀県から来た「井手ちゃんぽん」。オープンは3年前ですが、今も平日のランチタイムはお客さんでいっぱいで、女性の姿も目立ちます。

Q.お目当ては?
男性客:「野菜大盛り」

別の男性客:
「今日は野菜増しにしました」

女性客:
「(スープが)野菜にいい感じにしみ込んでいて、すごく食べやすいなっていう感じですね」

■佐賀は“ボリュームたっぷり”かつ“ヘルシー”

 佐賀のご当地ちゃんぽんの特徴は、テンコ盛りの野菜。キャベツやたまねぎなど甘味の出る野菜をたっぷり使用しています。

 強火の中華鍋で素早く炒めることで、シャキシャキの歯ごたえが生まれ野菜本来の旨味を引き出すそうです。それに加えるのが、半日かけてじっくり煮込んだ自慢の豚骨スープ。

 弱火でじっくり煮込むことで旨味とコクが深まるといいます。女性からも支持される佐賀発のヘルシーちゃんぽんです。

 60年の歴史を持つ、野菜たっぷりのちゃんぽん。戦後、過酷な環境で働いていた佐賀の炭鉱労働者の人々に十分な栄養を…と考案されたそうです。

井出ちゃんぽん伏見店 川七純一店長:
「(佐賀では)地元の方が、皆さん毎日食べるような普段食って言ったらいいんですかね。普段から食べられるちゃんぽんですね」

 ボリュームたっぷり!でもヘルシーというところが、東海地方でも受け入れられているようです。

■滋賀は“あっさり”でも“深み”

  2月に名古屋市中区新栄にオープンした、滋賀発のご当地ちゃんぽん「近江ちゃんぽん」の専門店も、連日お客さんで大賑わいです。

 特徴は「黄金スープ」と呼ばれる醤油スープで、カツオなど6種類の魚節と昆布の旨味が凝縮されたあっさりとした味わい。

ちゃんぽん亭総本家新栄店 脇坂栄一さん:
「(もともと)主にうどんと中華そばを販売しておりました。そのダシを野菜と一緒に煮込むことで、おいしくできるんじゃないかということで、それが生まれたきっかけとなりました」

 注文が入るごとに、手鍋で1人前ずつ丁寧に野菜と煮込んでいきます。麺もスープに合せて作られた、自家製の中華麺を使用。あっさり、でも深みのある味わいを…と昭和38年の創業から守リ続ける滋賀のご当地ちゃんぽん。

 もちもちのストレート麺がスープによく絡みます。おいしくても健康的という、こちらもちゃんぽんの特徴を生かしたお店でした。

■愛知の店の女性客「多い時は2、3日に1回」

 そして、今は愛知にも「ご当地ちゃんぽん」があります、名古屋市中区平和にある「凛」です。

Q.どのくらいの頻度で利用している?
男性客:
「週に1回くらい(来る)。食べて何日かするとまた食べたいなぁって」

女性客:
「一回食べて満足じゃなくて、もう1回食べたくなる…。多い時には2、3日に1回とか」

 どうやら名古屋の人の心をガッチリと掴んでいるようです。しかし、なぜあえて名古屋のご当地ちゃんぽんなのか…。

ちゃんぽん専門店 凛 松本朋和さん:
「愛知県にちゃんぽん麺の専門店がなかったので、僕が自分でやろうと思いました。地元のもので、そうするとみなさん喜んでいただけるんじゃないかなと。野菜もとれますし」

 愛知の「良さ」を生かしたちゃんぽんを作りたいと、「愛知愛」溢れるご主人が考案したご当地ちゃんぽん。

 一見、愛知らしさがどこにあるか、わかりにくいのですが…、実はスープに特産品の「八丁味噌」が使われているんです。

 ベースの豚骨スープに八丁味噌を加えることでうまみと香りが増し、まろやかな味わいになるそうです。

 スープだけではありません。具材も知多の「キャベツ」や、稲沢の「ほうれん草」。あまの「にんじん」、「チンゲンサイ」など、地元産にとことんこだわっています。

 愛知が全国に誇る味噌と野菜をふんだんに使った、まさにご当地ちゃんぽんにふわさしい一品です。

 他にも、愛知県発祥の台湾ラーメンの具材を使った程よい辛さが特徴の「台湾ちゃんぽん」など、全部で5種類のオリジナルちゃんぽんを味わうことができます。

ちゃんぽん専門店 凛 松本朋和さん:
「みんなが食べたことないものをという感じで、スタッフみんなで考えて作っています。地元の方に愛される、特別なちゃんぽんになってもらいたいですね」

 是非、ご当地ちゃんぽんを食べてみてはいかがですか。