■女性が語る魅力…「味わって食べられる」
留まることを知らない「パンブーム」。その中でカタい食感の“ハード系パン”も定着していますが、平成の最後、さらに進化を遂げたハード系のパンがありました。
まず、ハード系パンの魅力について街の女性に聞いてみると…?
女性:
「カタめが好き、ハードパン。パリパリしているのと、カロリーがなさそうなところがいいです」
別の女性:
「ハード系は味わって食べられるじゃないですか、何回もかむから。そこがいいかなと思います」

■半数以上が“ハード系”のパン屋も
パン屋さんでもハード系パンに注力するお店が増えています。
訪れたのは名古屋市天白区の「ぱん兄弟」。実に販売しているパンの半数以上がハード系パンです。
女性客:
「もっちりとした感じが好きです」
別の女性客:
「ふわふわなパンよりも『食べた』って感じがします。ハード系のパン屋さんがすごく多いから、流行ってるんだろうなって思いながら買います」
お店の一番人気は『ばけっと』。何と、税込み108円と、超お値打ち価格です!
ほかにもチーズ入りバゲットや、珍しいハード系のバゲットを使った「桜あんぱんハード」など様々な種類のハードパンが揃っているのですが、最近登場したパンがあるそうで…。
ぱん兄弟 大野貴正さん:
「普通のハード系のパンよりも水が多くて、もっちりしていて究極のハード系パンです」

■熟練の職人だからこそ作れるハード系パン
店員さんが「究極のハード系パン」と語るのが、『多加水ぱん』。
通常、ハード系のパンを作るときは小麦粉に対して水を70%の比率で加えるそうなんですが、『多加水ぱん』はさらに水を加え、100%の比率。つまり小麦粉と1対1の割合にします。
水分量が多くなることで、でき上がった生地もブヨブヨに…。
これが究極のハード系パンになるのかと思ってしまいますが、高温で焼き上げることで皮が薄くパリッと焼き上がり、中に水分をしっかり閉じ込めたパンに仕上がるのです。
水を加えるタイミングや生地のこね方を間違えると、パンが台無しになってしまうという『多加水ぱん』。熟練の職人だからこそ作れる、まさに究極のハード系パンです。
なぜハード系パンの人気が続いているのでしょうか。理由を東海地方のパン事情に詳しいパンの達人、石臥博代さんに聞いてみました。
“パンの達人”石臥博代さん:
「食事にパンを食べる習慣がだんだん広がってきて、昼でも夜でもパンを活用するようになりました。(ハードパンは)使われている材料がシンプルなので、いろんな食事に合いやすいんです」
朝食以外でもパンを食べる習慣が当たり前になり、肉や魚などメインの食材との相性がいいハードパンに注目が集まっているそうです。
さらに最新の注目ハード系パンが…。
“パンの達人”石臥博代さん:
「パン屋さんでこのごろよく見かけると思いますが、タルティーヌが人気です」

■新ハード系“具だくさんタルティーヌ”
そのタルティーヌがあると聞いて向かったのは、愛知県安城市の「しあわせをはこぶパン」
お客さんに聞いてみると…?
女性客:
「見た感じおいしそうなので、いつも買っていて、タルティーヌは歯ごたえがあって具も美味しいです」
別の女性客:
「カリカリして美味しいので、私は好きです」
気になる“タルティーヌ”…。一体どんなパンなんでしょうか。
しあわせをはこぶパン 稲熊恒毅さん:
「ハードパンに具材を乗せたオープンサンドのことをタルティーヌと言います」
黒コショウがかかったハムやスクランブルエッグ、そしてニンジンを乗せたたまごのタルティーヌや、ベーコンに青ネギをどっさり敷き詰めたタルティーヌなど、この店では季節に合わせて3種類をラインナップしています。

■“合わせやすさ”や“アレンジのしやすさ”も魅力
中でも看板商品は「白菜のタルティーヌ」!
野菜でパンがほぼ見えませんが、もちろん使っているのはハードパン。
ベシャメルソースとショウガをたっぷり敷き、ハムを乗せます。それに茹でた大きな白菜をドーム状にどっさりと乗せ、2種類のチーズでふたをして完成。ボリューム満点のタルティーヌです。
しあわせをはこぶパン 稲熊恒毅さん:
「ハード系のパン(バゲット)はシンプルなパンなので、野菜の味や風味を生かしたような感じになっています。食べ応えもあって、色んな料理に合わせやすいかと思います」
タルティーヌはアレンジのしやすさも魅力とのこと。皆さんも、自分好みに色々と試してみてはいかがでしょうか。