■現職の警察官が登場する“異例”のパロディ
画像にご注目。制服を着てサングラス姿なのは警察官、ポスターの上には「APアイチ・ポリス」の文字が…。
実は、愛知県警が作った9月に行われる採用試験をPRするポスターで、エイリアンから地球を守る秘密組織の活躍を描いた人気映画『MIB』(メン・イン・ブラック)のポスターをパロディしたものなんです。
右側の「M(マジで)I(いま)B(募集中)」の文字がなければ、ピンとこない感じもしますが…モデルは正真正銘、現役の警察官です。
採用担当の警察官:
「8月19日から採用試験の募集が始まりますが、それに向けた広報の一環です。映画のポスターとコラボするだけでなく、自分たちでパロディを作ってみたんです」
映画と警察がタイアップし、「交通安全」や「特殊詐欺防止」といった啓発ポスターが作られることはこれまでにもありましたが、現職の警察官が登場する「パロディ版」は異例だといいます。
採用担当の警察官:
「若い方の中には警察に対して危ない、堅いといったイメージがあることは認識しています。そんな若い人に向けて、堅い形ではなくこうしたちょっと砕けた展開で、少しでも身近に感じてもらい募集につなげられればと」
『危険・堅い・怖い』といった「3K」のイメージが付きまとう警察官の仕事。
愛知県警の採用試験の受験者数は2010年度の6428人をピークに減少し、2018年度は3288人に。大きく減っているため、「マジで・いま・募集中」なんです。
愛知県警は地元だけでなく全国で説明会を行ったり若者向けにSNSを活用するなどして情報を広く発信していますが、この活動はその1つ。

■警察の担当者「さすがに拳銃を持ち出すわけには…」
ちなみに『MIB』の新作映画とタイアップした本物のポスターもあり、本家と比べると…本家『MIB』は手に銃を持っていますが、「アイチ・ポリス」の装備は、「止まれ」標識に誘導棒、それに警笛。「さすがに本物の拳銃を持ち出すわけにはいきません」と担当者。
愛知県警では、こうした取り組みを今後も続けていきたいとしています。
採用担当の警察官:
「海外の事例では、テキサス州の筋肉ムキムキの現役警察官が花畑を駆け回るといったお茶目な写真をSNSに投稿して話題になっているんです。いきなりそこまではできませんが、私達も近寄りがたい警察官のイメージを少しでも払拭して警察官になりたいという人が増えてくれればと思います」
本家『MIB』を使ったポスターは愛知県内の警察署などで掲示され、「アイチ・ポリス」バージョンはSNSを中心に発信していくということです。