名古屋市港区の住宅で24日夜、家族3人が刃物で刺されるという事件がありました。

 警察はこの家に住む23歳の男を殺人未遂の疑いで逮捕しましたが、70代の祖母が死亡、50代の父が意識不明の重体などとなっています。3世代同居の家族に一体なにが…。

 25日未明、フラッシュを浴びながら愛知県警港署に入る1台の車…。殺人未遂の疑いでけさ逮捕された遠藤純容疑者(23)が乗っていましたが、その表情を窺い知ることはできませんでした。

(リポート)
「現場は細い路地を入った住宅街にあります。白い軽乗用車の停まっている前の家で事件は起きました」

 警察によりますと、遠藤容疑者は24日午後10時ごろ、名古屋市港区西福田1丁目の自宅で、家族を包丁で次々と襲いました。

 祖父母と両親、そして2人の兄弟の3世代7人暮らし。祖母の好美さん(77)と父・栄二さん(52)、そして妹(19)の3人を刺すなどしました。

 3人はすぐに病院に搬送されましたが、好美さんが死亡。栄二さんは心肺停止の状態で搬送され、一命はとりとめましたが意識不明の重体。妹(19)も当初意識はありませんでしたが、その後、意識が戻り全治3か月の重傷です。

(リポート)
「男は逃走後にあちらの住宅で通報を求めた後、このあたりで身柄を確保されたとみられています」

 警察は通報からおよそ10分後、自宅から200メートルほど離れた住宅の敷地内で遠藤容疑者を発見。確保された際には…。

<遠藤容疑者>
「自宅で刺した」

 その後、発作を起こしたため、一時病院へと搬送しましたが、25日朝、妹に対する殺人未遂の疑いで逮捕されました。

 1つ屋根の下に暮らす大家族にいったい何が…。

近所に住む男性:
「大人しい感じだったね。口数もそんなに多くない感じ。当時だよ、小学校高学年ごろは」

別の男性:
「おとなしい、そんなことするような人とは思えないというか」

 大人しく、口数は少なかったという遠藤容疑者。幼少期には死亡した祖母の好美さんと公園で遊ぶ姿がよく見られたといいます。

近所に住む女性:
「夕方になるといつもおばあちゃんが、公園に2人(遠藤容疑者ら兄弟)連れて、すごくかわいがってみえた」

 しかし、中学時代から引きこもりがちに。好美さんも気に掛けていました。

祖母の友人女性:
「(好美さんから)ずっと家の中に、引きこもりという感じとは聞いてましたけど。家にいて全然外に出ないということは聞いてました。親御さんみえるもんだから、おばあちゃん(好美さん)としてはそう口出せれないから、見守るよりしょうがないですよねって言ってた。人並みに立派に働いたりして、人並みのことをしてほしいとは言ってみえたけど」

 2、3年前に仕事を始めたものの、すぐにまた引きこもり状態に…。父親の栄二さんも周囲に相談していたといいます。

近くに住む男性:
「(遠藤容疑者が)内向的で困ってるというぐらいの話を(栄二さんから)聞くぐらいで。人としゃべるのが苦手って感じなんでしょうね。少し悩んでいるみたいなことを一時期言っていたというのはありましたね」

 自宅で家族といたところ、突然暴れ出したという遠藤容疑者。

<遠藤容疑者>
「間違いないと思います」

 自宅からは犯行に使われた包丁が見つかっていて、警察は祖母への殺人容疑などでの立件も視野に、動機や犯行のいきさつを調べています。