視聴者の皆さんから寄せられた「新型コロナウイルスで生活に直結する身近な疑問」。電車や買い物、公園など、外に出かける時に感染の恐れは…。そんな『外出時の疑問』を愛知県瀬戸市の公立陶生病院感染症内科・武藤義和医師に聞きました。

 まず、混み合う電車やバスの車内では、どこが感染リスクの高い場所なのでしょうか。

武藤医師:
「人が一番集まっている部分がリスクが高いというのが、まずあります。そういう意味ではドアの前とか、人が多く集まりやすい場所ですので、そういった所は飛沫が飛ぶ、咳やくしゃみの臭液が飛ぶこともありますので、やはりリスクは高いんじゃないかという印象を受けます」


 武藤医師によると、混雑している車内の場合、人が密集しやすいドア付近のリスクが高いとのこと。くしゃみや咳などによる飛沫を浴びやすいからだといいます。

 一方、座席やその周辺も安心はできません。座席や吊り革にウイルスが付着している可能性があるからです。

そのため、列車やバスを利用した後は手洗いが重要です。

 続いては、買い物の時に気になる、売り場の野菜や果物。そのまま置かれていることが多く、不特定多数の買い物客が直接手にするため気になります。ほかにもパックに入っていない商品も多くあり、それらは果たして安全なのでしょうか?

武藤医師:
「果物でも野菜でもそうなんですけど、表面にウイルスがついていることはあるとは思うんですね。(ウイルスは)水で洗うことによって多くは落ちますので、基本的にはそれで十分と思っております」


 野菜などについたウイルスは水で洗うことで、ある程度落とせるといいます。

また、焼いて食べるものは、焼くことで、ウイルスが失活するため問題ないそうです。

 そして、会計など人と人との距離が近くなる時も気になります。これはどうなんでしょうか?

武藤医師:
「特にスーパーはそんなに密閉空間ではございませんので、あまりリスクは高く無いですし、基本的に飛沫を浴びるっていうシチュエーションでなければ、多くの場合『短時間の接触』『すれ違い』程度のものですので、あまり大きなリスクにはならないと思います」


 では、ショッピングモールなど、大きな施設へ行った時に乗ることがある『エレベーター』は…。

武藤医師:
「基本的には密閉空間と考えますと、どこの場所に居ても同じ空気を浴びますので、そういう意味ではあまりリスクは変わらないような印象は受けます」


 換気の悪い場所に不特定多数の人が出入りするものの、乗っている時間は短いため、リスクは低いといいます。ただ『それでも気になる』という場合は、なるべく奥に立つといいそうです。

 大半の人が扉に向かって立つため、奥にいることで、飛沫を浴びることが少ないだろうから…ということです。

 それ以上に気を付けた方がいいのが、エレベーターのボタン。これには感染のリスクがあるといいます。

武藤医師:
「ボタンのような皆さんが触る場所っていうのは当然リスクにはなると思います。手すりを触った後やボタンを触ったあとに、しっかりと手を洗っていただくことで元の手はキレイになりますので、すなわち感染性はないという風に思っていただく考え方でいいと思います」


 やはり、身を守るため、手洗いが大切なようです。

 最後は『公園』。外出を控えつつも、小さなお子さんの気晴らしに公園へ連れていきたい…と思うのも親心。そこで出てくるのが、「そもそも公園で遊んでも大丈夫なの?」という疑問です。

武藤医師:
「公園は外ですので、ウイルスが撒き散らされていたり、そのあたりに飛び散っていたりというシチュエーションはほとんど無いと思うんですね。公園で遊ぶこと自体、リスクが極めて高いということは無いとは思っております。ただ、不特定多数でみんなで公園で遊ぶ。人と人との距離が近いような状況は避けていただくのが大事かと思います」

 では、遊具にウイルスが付着していることはあるのでしょうか。

武藤医師:
「不特定多数の人が触る場所であるのは事実なんですね。なので、そこにウイルスが付着している可能性はもちろんあると思います。ただ、その手を洗えばすぐにウイルスは落ちます。その手を口に持っていく行為がリスクですので、顔に手を持っていく前に手をしっかり洗うだけで十分だと思います」

 ウイルスが付着している可能性はあるものの、手洗いをすれば落ちるといいます。

 とにかく外出したら、しっかり手洗い…これに尽きます。