愛知県蒲郡市の男性が感染を知りながらフィリピンパブを訪れ、女性店員にうつしたとみられる問題。

 その後の店側への取材でこの女性店員が男性を直接接客していなかったことがわかりました。一体どのように感染したとみられるのでしょうか。

<感染男性>
「ウイルスをばらまいてやる」


 こう話しながら蒲郡市の飲食店を相次いで訪れた男性。その言葉が現実に…。

豊田市の担当者(12日):
「患者は30代女性、市内在住の方です。今月4日水曜日、愛知県内で発生した42例目の患者と接触がありました。蒲郡市に確認しましたところ、複数の飲食店のなかの一つと…」

 豊田市によると感染が確認されたのは市内に住む30代の女性。3月4日、勤務先の蒲郡市内のフィリピンパブに、感染したことを知りながら「ウイルスをばらまく」と言って50代男性が来店。

それがきっかけで感染したとみられるといいます。ところが、感染した女性はこの男性の接客はしていなかったといいます。

 店のオーナーの話や防犯カメラをもとに検証します。

 3月4日、50代の男性は自宅を出た後、別の居酒屋を経て午後6時すぎにパブに入りました。

横に座り接客に当たる女性店員。この日、20分ほど男性を接客しましたが、感染したのはこの女性ではありませんでした。

店のオーナー:
「コロナ陽性の男性が(店の)営業前に入ってきました。まだ店が準備中なので、入ってすぐの席に横になっていたと思うんですけど、その横になっていた席にたまたま座っちゃった子(が感染者)ですね。そこで化粧とかしていたっていう話は聞いていますけど。(男性とは)全く接触していない女の子なので…」


 時間をさかのぼります。6時ごろ入店した男性はまず待合のソファーに座ります。ソファーで時折、横になる男性。

数分後、店員に促され男性は席へと向かいます。

 その2分半後、ソファーに座った女性店員。化粧などをしたあとソファーを離れました。実はこの女性店員に感染が確認されたのです。

店のオーナー:
「(その2人だけ)検査をお願いして、検査を受けて安心していた矢先に今日の一報で言葉を失っちゃいました。(感染した女性は)泣きじゃくっていたと聞いていますけど」

 男性の接客やレジを担当した女性店員ら3人がこれまでに濃厚接触者として検査を受けましたが、陰性だったといいます。

店のオーナー:
「本人が(感染を)知らずに来て、あとでコロナだったら仕方がないと思うんですけどね。わかっていて来られたのがこれは一番…。本当に言葉がない。憤りしかないですからね」


 街の人は…。

女性:
「犯罪ですよね、もう。あんなひどいことをやってね。かわいそうです、かかった人は」

別の女性:
「直接接触してないって言っていたので、どんなに強いウイルスなんだって思いますよね」

男性:
「同じ店にという感じだけでもかかっちゃうのは、ちょっと怖いなと思いますね。不安はありますね、同じ蒲郡に住んでいるので」


 パブは保健所から2週間の営業自粛要請があり、14日に消毒することも決めています。

パブのオーナーは「被害届を出す」と話していて、警察も捜査を進めています。