19日は名古屋市や三重県の公立小学校で卒業式が行われました。

 新型コロナウイルスの影響で学校が臨時休校となる中での卒業式。しかし、そこには子供たちの門出を精一杯お祝いしてあげたいというそれぞれの思いがたくさん詰まっていました。

 名古屋市西区の比良西小学校。6年生51人が、19日学び舎を後にしました。

 2週間ぶりに学校に集まった児童たち。久しぶりに会う友達や先生に笑顔がこぼれます。

卒業する児童:
「色んな意味で寂しいし、楽しいし、嬉しいしという感じがある。言葉で表せない」


 卒業式の練習はできず、卒業証書の受け取り方は当日の19日、教室で練習。

 本来、式では在校生が言葉や歌を卒業生に贈りますが、今年は出席できません。

 その代わり、在校生たちからたくさんのメッセージ。先生たちが休校中に在校生からメールで集めました。

 卒業生も親も全員マスクを着けて式に臨みます。

松藤校長:
「皆さんへのはなむけとして2つの話を贈りたいと思います。この場では簡単にお話をします。詳しくは配られた文書を読んでください」


 校長先生の式辞は短め。異例の卒業式となりました。

 式の後には、歌とともに花道を通る在校生が歌うはずだった曲を代わりに先生達が歌い、卒業生を送り出すというサプライズも。

卒業生の母親:
「ちょっと異様な感じでしたけど、マスクしたりとかで…。でも(卒業式が)できてよかったです」

卒業生:
「(練習が)休校になる前に1回通したきりだったので、ちょっと心配なところもありました。やりきることができて卒業したなって」


 一方、三重県四日市市の三重小学校。

 6年3組の担任・伊藤一男先生にとっては、今回が担任として送り出す最後の子供達です。

 児童らが作った卒業式の日までのカウントダウン・カレンダーは、休校になったことでめくられることはありませんでした。卒業式まで一日ずつカウントダウンをしながら過ごすはずでした…。

 そして迎えた、卒業式。

卒業する児童:
「私は将来バスケットボール選手になって、見ている人を感動させるプレーをしたいです」


 将来の夢や目標を発表し、先生や保護者に見守れながら受け取る卒業証書。

田中重行校長:
「これからも感謝の気持ちを大切にし、夢と希望に向かい進んでいってください」


 6年3組の最後のホームルーム。

 伊藤先生は卒業生あてに届いた一通の手紙を先生が紹介します。送り主は伊藤先生が初めて担任として送り出した“35年前の卒業生”です。

35年前の卒業生からの手紙を読む伊藤先生:
「本当はカウントダウンカレンダーを1日1日めくり、卒業式を迎えたかったですよね。今日のことがいつの日かタイムカプセルを開ける頃には、懐かしい思い出になっていることを祈ります」

伊藤先生:
「十何日間離れていても、今日会った子供たちとはつながっていたので、最高の卒業式になったと思います」

 子どもたちにとってもベテランの先生にとっても初めての経験となった今年の卒業式。それでも、最後はみんな笑顔で学び舎を後にしました。