拡大する新型コロナウイルスの感染者は3月最後の週末を終えて、東海3県では196人となりました。この23日から29日までの1週間で愛知で24人、岐阜で15人増え、三重は新たな感染者は確認されていません。

■愛知県の感染者…新幹線の利用者や指定病院の看護師、議員やヨーロッパ訪問者も

 愛知県でこの1週間に確認された24人の内訳は、名古屋が7人、犬山市が4人、稲沢市が3人、春日井市が3人、瀬戸市が2人、岡崎市が2人、長久手市が1人、みよし市が1人、一宮市が1人となっています。

 また、その間に知多市の70代男性と岡崎市の80代男性が死亡しました。知多市の男性は北欧から帰国後、21日に感染が判明し26日に死亡、岡崎市の男性はニューヨークから帰国して23日に死亡後、感染が判明しました。

 29日には、感染症指定病院で千種区の東部医療センターに勤務する20代の男性看護師が陽性と判定されました。この病院ではこれまでに26人の陽性患者を受け入れていて、この看護師もその患者の対応にあたっていたということです。

 神奈川から名古屋に新幹線を使って出張で訪れた40代男性の感染も28日、判明しました。男性は名古屋を訪れる前にすでに感染していたとみられていて、25日午後2時29分 新横浜発、午後3時45分 名古屋着の『のぞみ39号』で、10号車の前方に乗っていました。

 名古屋ではこのほか、デイサービスのクラスターから感染したとみられる60代の男性と20代の女性も、26日に陽性とわかりました。

 犬山市では岐阜県可児市でクラスターが発生した合唱団の参加者で60代男性、コパンスポーツクラブ西可児の利用者で60代女性の感染が判明。さらにスペイン、フランス、イタリアにクルーズ船で旅行した70代男性と60代女性の夫婦も感染。このクルーズ船旅行の参加者では、岡崎市に住む50代の女性も28日、陽性と判定されています。

 一宮市の60代女性は、コパンスポーツクラブ西可児の利用者で感染が判明した、親戚の60代女性と接触があったということです。

 稲沢市では市議会議員の家族3人の感染が判明。70代の市議と40代の息子が24日に陽性と判定され、25日には60代の妻も感染がわかりました。稲沢市が議員の感染を公表したのは2日たった26日の夜でした。

 愛知県小牧市の自動車部品メーカー、「日本電産モビリティ」では、23日から25日にかけて春日井市在住の40代から50代の男性従業員3人と、長久手市に住む40代男性従業員の感染がわかりました。

 28日には愛知県議の事務所に勤務する、瀬戸市の60代男性職員にも感染が判明。翌29日には50代妻の感染も確認されました。

 また、みよし市ではフランスに渡航していた40代男性に、25日、感染が判明しました。

 愛知県の感染拡大の始まりとなった、名古屋市のスポーツジムのクラスターからは新たな患者は見つかっていません。

 愛知県では、29日の午後7時時点で167人が感染し、このうち19人が死亡、52人が退院しています。

■合唱団から始まった感染がスポーツジムに拡大しクラスターに…岐阜は1週間で15人の感染

 岐阜県ではこの1週間で、15人の感染が判明しました。可児市を拠点とする合唱団のメンバーで、70代の男性に22日、感染が判明すると連日患者が確認され、クラスターが発生しています。

 合唱団は2つあり、23日から26日にかけて可児市と川辺町、愛知県犬山市のメンバーで40代から70代の男女あわせて6人に感染が確認されました。クラスターに含まれる人数は14人となっています。

 さらに25日から27日にかけて合唱団のメンバーで、感染者の70代男女3人が利用していた「コパンスポーツクラブ西可児」の他の利用者4人も陽性に。4人は60代から70代の女性で、その後、このうちの3人の夫で60代から70代の男性も感染しました。 

 また、29日には大垣市に住む50代男性の感染も判明。男性は21日に発症したあと、22日から26日まで沖縄を訪れていました。

 このほか、23日から24日にかけ、フランスとスペインから帰国した各務原市の20代女性や、フィリピンから帰国した岐阜市の30代同僚男女の感染も確認され、岐阜県では、29日時点で20人が感染しています。死者はなく、2人が退院しているということです。

■三重県は新たな感染者確認されず…知事は8都道府県への不要な移動の自粛を求める

 三重県での新型コロナウイルス感染者の発生は19日以降なく、9人のままで、これまでに2人が退院しています。鈴木英敬知事は30日、感染が急拡大する東京をはじめ、感染者の多い愛知県を含めた8つの都道府県への、不要不急の移動は自粛するよう、県民に求めました。

 移動の自粛を求めたのは東京、大阪、北海道、愛知、兵庫、神奈川、千葉、埼玉の8都道府県です。

 自粛の期間については「当面の間」としていますが、年度末を挟んで人の往来が多くなることから、鈴木知事は「今週が山場」として呼びかけています。