感染が広がり続ける新型コロナウイルス。愛知県警の警察官と岐阜市のナイトクラブで、感染者集団=クラスターが発生し、ナイトクラブでは、健康を守るはずの岐阜大学病院の医師ら3人も感染しています。

 住民の安心・安全を守る警察官と健康を守るはずの医師の感染…そこからさらに家族などへの感染が広がっています。

<愛知県警幹部>
「クラスターという認識はある。自宅待機を広げて対策している」

 地域の安全や安心を守る警察から発生した感染者集団=クラスター。

(リポート)
「クラスターが発生したとみられる愛知県警では連日、感染者が増え続けています」


 5日までに新型コロナウイルスの感染が確認された愛知県警の警察官は17人。そのほとんどが県警の機動隊に所属。

 機動隊員らは今年1月から3月28日にかけて、名古屋市港区の愛知県武道館で、合わせて65人が剣道や柔道の稽古にあたり、ここで感染が広がったとみられています。

 4月1日に始めて警察官への感染が判明すると、次々増え続け、5日までに合わせて17人が感染。

 剣道の稽古で発生した集団感染。「愛知県剣道連盟」では、感染の危険性について…。

愛知県剣道連盟・祝要司理事長:
「(武道館で)感染するという可能性は非常にありうると。3密といわれていますよね。剣道というものは、この3つに非常に関りがあります」

 例えば竹刀を鍔で受け止め、押し合う「鍔迫り合い」という稽古。2人が身体をぶつける様に密着し、大きな声を出し合うため、感染する可能性が高いといいます。

愛知県剣道連盟・祝理事長:
「鍔迫り合いとか打突の時に、大きな声を発します。飛沫というものはとても問題になりますから、そういう意味ではリスクがあると。連盟としては『自粛しなさい』と出しました」


 愛知県警は、県の武道館で稽古をしていた34人と、感染者と接触した可能性がある62人、合わせて96人の警察官を、2週間の自宅待機とする措置を取りましたが…。

(リポート)
「感染した警察官からさらに、その家族などへの感染が確認され始めています」


 4月2日に確認された30代の警察官からは、妻と同居の母親に…そこからはさらに30代の警察官の親戚で多治見市に住む0歳の乳児の女の子への感染も確認。

 このほかにも感染が確認された2人の警察官からはそれぞれ家族と親戚合わせて2人のほか、3月27日、愛知県警の剣道の稽古に参加していた県外の大学生2人への感染も確認されています。

 一方、岐阜市では5日…。

岐阜市の担当者:
「1歳未満の乳幼児の方でございます」


 0歳の女の子が感染。その父親は…。

岐阜大学森脇久隆学長:
「本学医学部附属病院の精神科医師3名が、新型コロナウイルスに感染にしたことをうけご報告いたします」


 4日感染が確認された、岐阜大学病院に勤務する30代の男性医師です。

 男性医師が感染したとみられる場所は、これまでに従業員や客など合わせて17人の感染が確認されていて、岐阜市がクラスターと認定したナイトクラブ「シャルム」です。

 あろうことか男性医師は3月26日、このナイトクラブに岐阜大病院の同僚や県外で勤務する医師の合わせて4人で訪れていて、そのうち、岐阜大学病院の3人全員が感染しました。

 健康を守るはずの医師がとった軽はずみな行動…。勤務医の感染をうけ岐阜大学病院は4月19日まで、外来診療が行えないという事態に陥りました。

Q.外で(コロナを)もらってしまった行動については市民にどう説明されるお考えですか?

岐大病院吉田和弘病院長:
「今後、こういうことがないように職員一同に徹底して教育するとともに注意喚起を促したところです。市民のみなさん、県民のみなさんには大変申し訳ない思いでいっぱいでございます」


 岐阜市では、クラスターに認定されるナイトクラブ「シャルム」と同じビルに入る飲食店を訪れた瑞穂市の男性客(60代)への感染も確認。

柴橋正直岐阜市長(40):
「この飲食店クラスターには、強烈な危機感を覚えております。子供というのはおよそ80~90%の確率で家族内で発症するといわれています。クラスターを止めるための大人の協力、岐阜市民のみなさんの協力が不可欠ということであります」

 しかし、岐阜市ではこの状況の中、営業しているナイトクラブも…。

ナイトクラブ経営者:
「本当はどこの店も閉めたいんですよ。『あそこからコロナ出たから店閉めたぞ』(というデマが広がるのは)すぐですよ。人件費から家賃から…営業やるだけ赤字ですから、全店舗営業停止とかいうことを(行政が)夜の店に対して命令した方がいいですよ」