県民に不要不急の移動の自粛を求めた愛知独自の「緊急事態宣言」を受けて、街はどう変わったのでしょうか。朝からの1日を取材しました。
10日朝の名古屋駅前。
(リポート)
「午前8時半、通勤ラッシュの時間帯を迎えた名古屋駅前です。昨日と同様、通常よりは人が少ないですが、通勤服姿の人が多く歩いています」
愛知県独自の緊急事態宣言が出される4時間ほど前、前日の通勤時間帯と比べても大きな変化はなく、普段通りの通勤風景が見られました。

女性:
「大村知事の緊急事態宣言を受けて、(会社で)今までより一層在宅勤務を進めましょうと。全体で出社する人数を今までの半分にしようっていう話になりました」
別の女性:
「仕事に行かなきゃいけないので、会社側の判断になるので」
一方、名古屋市中区の認可保育園、E-スカイ幼児園。こちらもいつもと変わらない登園風景です。

母親:
「共働きで預け先だけは確保できるかなというのだけいつも気にしてて、(保育園は)生命線みたいな感じ」
別の母親:
「宣言が出てからは預け先とか、今後保育園が閉まってしまったらどうしようっていうところもありますし」
また別の母親:
「家に子供がいる状態で仕事なんか絶対に家でできないですから、そうなったらどうしようと思ってすごく心配です」
愛知独自の緊急事態宣言では「安定的な生活の確保」のためとして、保育園や幼稚園での子供の受け入れの継続を求めていて、この保育園では出来る限りすべての子供たちの受け入れを目指します。

E-スカイ幼児園 山田さん:
「働くお父様お母様のための施設でもありますから、『とにかく開けといて欲しい』というのが(保護者からの)一番の強い意見でございます。(保育園の)職員の子供たちが休みになりますと、職員も仕事に来られないんですね。そういったことも鑑みて、(市に)要望をお願いしたいと思っております」
また保育園や幼稚園と同様に営業の継続が求められる、レストランや食堂・喫茶店は…。
カフェバロン・前納さん:
「(店は)朝からガラガラ。今日から一気に4割くらい(減った)」

名古屋市中区の「カフェバロン」、店を始めて40年が経ちますが、ここまで客足が遠のくは初めてだといいます。

前納さん:
「個人営業の店は存続に関わりますからね。今までそういう経験がないし、どうしたらいいか分からない」
さらに本格イタリアンが楽しめる別の店でも大きな影響が…。

ラ・バルカ 飛矢さん:
「電話が怖いですよ。今までは電話は予約の電話でしたけど、今はキャンセルですからね。大村知事が(会見で)言われた瞬間に反応がありましたし、(以前に)安倍首相が話をしたときにも、予約のキャンセルの電話がありましたので」
10日入っていた2組の予約はどちらもキャンセルに。予約の多い週末も予定はありません。

飛矢さん:
「(食材の仕入れは)半分以下ですね、3分の1くらいだと思います。余ったりときにはもちろん処分しないといけないものですから」
4月からは、テイクアウトをはじめ、この状況を乗り切ろうとしています。

飛矢さん:
「(今の状況を)戦争中って言ってますね、皆さん。終わったときって復興するじゃないですか、今こらえ時でみんなこらえて、やっぱり体力勝負ですね」
一方で…。
(リポート)
「名古屋市の東山動物園です。春は多くの来園者が訪れる時期ですが、今日から1か月の閉園を決めています」

また名古屋城も、10日から5月10日まで全面休業に。

すでに休業を決めていた施設以外も、この流れを受けて続々と休業を決めていて、「レゴランドジャパン」は10日から臨時休園となったほか、「日本モンキーパーク」や「ラグナシア」は11日からの休業を決めています。

(リポート)
「午後1時の名古屋駅です。たった今、県独自の緊急事態宣言が出されたんですけれども、名古屋駅はいつもよりかなり人が少ないです」

女性:
「もう家から極力出ないように」
男性:
「日常生活がやりにくいねえ。何言われるか分からないから、今日は中止で帰ります」

10日午後1時、愛知県の緊急事態宣言が出されると、街からは人の姿が消えました…。