政府の専門家会議が22日、人との接触を8割減らす「10のポイント」を挙げて更なる協力を呼びかけました。その中では「公園」についても利用の仕方を見直すよう求めています。

 実はこの2つ、緊急事態宣言が出たあと、かえって人出が増えた場所。自粛生活の数少ないオアシスだった公園も「密」の危険に…戸惑いの声が上がっています。

 名古屋市昭和区の川名公園。23日も、多くの親子連れや子どもたちの姿がありました。しかし、公園の入り口には『遊具にもコロナウイルスがついていることがあります』と書かれた看板がありました。

 確かに、子どもたちは遊具に素手や素足で触ってしまいます。

(リポート)
「砂場なんですが、かなり狭いためどうしても人が密集してしまいます」

孫と公園に来た男性:
「ここはすごく人が多いですから。今日はやっぱり多い感じですね。(感染防止は)難しいですね、現実的には」


 広い公園ですが、遊具をみんなで同時に使おうとすると「密接」「密着」に。屋外のため「3密」ではありませんが、はたしてこれでよいのか、気になるところです。

専門家会議 尾身副座長:
「緊急事態宣言の後の方が、多くの人が(公園に)出ていることが分かりました。これまで公園のように屋外の環境の利用については特別な注意をしてきませんでしたが、今後は注意して利用していただかないといけないことが分かりました」


 政府の専門家会議によると、公園の利用者は緊急事態宣言の後の方が増えているとのことで、感染予防の観点からは好ましくない状況。

「人との接触を8割減らす10のポイント」でも、「公園はすいた時間、場所を選ぶ」と、利用の仕方を見直すよう求めています。

北海道大学 西浦教授:
「1つの『密』が欠けるからといってリスクがゼロになるわけではありません。(公園で)2メートル以内にたくさんの方が集まって、長い時間を共に過ごしてしまう場合だと本末転倒な話です」


 専門家がそうは言っても…。

母親:
「基本的に平日は保育園の園庭で遊んでいるんですけど、保育園も自粛なので近くの公園に来ると、保育園のお母さんと会うみたいな」

別の母親:
「もっと(人を)分散させる場所を他に提供してほしい」

 それでも、子どもを守るため母親たちは工夫を…。

母親:
「(公園が)早い時間帯で混むようになってきたかな。(狙い時は)8時くらいですね」

別の母親:
「朝のこの時間帯だったら小中高生とかが少なくて。小学生がこの間、バットでボールを打ち始めて怖かったので、そっちはそっちで怖いし」


 混雑を避けるため、午後ではなく朝や午前中に早めたという人が多くいました。

 一方、周りでスポーツをしていた人たちは…。

中学生:
「体がなまりそう。ここから体力も減って学校が再開した時にへばっちゃったり。(場所探しは)めちゃくちゃ大変。ちっちゃい子がいると危ないので」

 公園は自粛生活のストレスを解消する大切な空間。完璧な対策は難しいかもしれませんが、お互いに譲り合って「密」な状態にならないよう、気を配るのが大切といえそうです。