愛知・岐阜で休校の延長が決まり、子供が家にいる期間がさらに長くなることになりました。

 しかし、家にいても感染の可能性はあります。それは「家族間の感染」。親が子供に対してできる事を専門家に聞きました。

 感染症に詳しい公立陶生病院の武藤義和医師。

武藤医師:
「家の中だけだったらリスクはなくても外から持ち込むんですよね。それは親御さんや家族の方やお子さん本人だったり。外から持ち込むことが家庭内の感染リスクになる」


 たとえ子供自身が家の中にいても、外出した家族が家の中にウイルスを持ち帰る恐れがあるため、油断は禁物だといいます。

 子供たちを守るために、「大人にできること」は…。

武藤医師:
「まず持ち込まないためには、帰ったらしっかり手を洗うこと。そして、できるだけ早く着ているものを洗っちゃう、場合によってはお風呂に入ってしまってきれいにする」

 手洗いの徹底はもちろん、服や体に付着したウイルスを家の中に持ちこまないよう、着替えをしたり入浴したりするのも効果的だといいます。さらに…。

武藤医師:
「家庭内に関しましては、みんなが触るものはしっかりと拭くという風にします。トイレのドアノブやお風呂など、みんなが触るものはしっかりと拭く。もちろん手洗いも大事ですし、ご飯の時は一緒に箸を共有しないとか、できるだけ家の中でも距離を少し置くことが大事かなと思いますね」


 ところで、自宅学習の機会が増えたことで、勉強道具などもこまめに消毒した方がいいのでしょうか…。

武藤医師:
「基本的にはノートとか鉛筆とかを積極的に消毒する必要はないかなと思います。手が結局感染源になりますので、鉛筆を鼻に入れることは普通はないですし、ノートを食べたりもしないので。なので(個人の)モノをしっかりと消毒するという行為よりも、手をしっかり洗うことでそのモノから顔に来る、これを避ける」

 一方、生まれたばかりの赤ちゃんの感染対策は…。

武藤医師:
「赤ちゃんはマスクしても外しちゃいますし、手をすぐ口に持って行ってしまいますので、なかなか24時間感染対策は難しいと思うんですね。赤ちゃんにも安全なもので手を拭いてあげる、ウイルスをやっつけるのではなくて、少なくとも物理的にウイルスを拭きとるだけでも効果はあります。触りそうな物はちゃんと消毒してあげる、拭いてあげる。これをすることでその子の周り半径数mの範囲を守ってあげる」


 水道まで赤ちゃんを何度も連れていくのは大変。代わりに、赤ちゃんの手や周りの物を消毒してあげることでも効果があるといいます。

 強力なアルコール消毒でなくとも、除菌シートでOKです。

 新型コロナウイルスから子供たちを守るため、何よりも大切な予防策は、周りの大人が予防することです。

武藤医師:
「今の感染の中心の年齢は20~30代なんですけれど、そういう人たちが誰と住んでいるかというと、子供です。20、30、40代の方が感染するということは、すなわち子供の感染リスクが上がるということだと思います。なので家族が感染しないことが一番の予防になります」


【感染が疑われる人への注意点】

▼部屋を分け、この区域には入らないというゾーニングを明確に
ポイント:看病は限られた人で

▼ごみは密閉して捨てる
ポイント:ゴミ袋は二重にして72時間は触らない

▼定期的に換気
ポイント:1~2時間に一度5~10分程度

【周りの「家族」の注意点】

▼食事は離れてとる
ポイント:使い捨ての紙皿や割りばしを使う

▼共有部分の消毒
ポイント:ドアノブ・手すりも忘れずに。アルコール、水拭き、場合によっては食器用洗剤を薄めたものでも可

▼汚れた衣服などの洗濯
ポイント:飛沫などのリスクあるため、洗濯する時は手袋とマスク着用。洗濯後は素手でも問題なし

▼家族は先に入浴
ポイント:タオルなども共有しない

※濃厚接触者も感染源になり得ると考え、これ以上広げないよう、できるだけ他人と接触せずに生活することが必要