偉業を達成した藤井七段が対戦した、永瀬拓矢二冠は横浜市出身の27歳。

 藤井七段は14歳2カ月で、最年少でプロ入りを果たしていますが、永瀬二冠も2009年、17歳の時にプロ入りしていて、当時から将来を嘱望されていました。

 将棋の8大タイトルのうち2019年に「叡王」、「王座」と立て続けにタイトルを獲得。いま、将棋界を代表する棋士の1人です。

 将棋ファンからは「軍曹」というニックネームで呼ばれています。とにかく将棋に対し努力を惜しまない、ストイックな棋士だといいます。

 公式戦のない日、棋士は将棋ソフトを使ったりそれぞれの方法で将棋の研究をしますが、永瀬二冠は他の棋士を誘って練習対局を熱心にこなすといいます。

 実は藤井七段もその練習パートナーの1人で、永瀬二冠は藤井七段と対局するために名古屋に来ることもあったそうです。

 2人には「因縁」もあります。前年に藤井七段がプロ入りしたばかりの2017年、アベマTVが企画した「藤井聡太炎の七番勝負」。

まだ連勝記録が話題になる前で、中学生棋士が当時の羽生三冠らトップ棋士の胸を借りるはずでしたが、蓋を開けてみれば当時四段だった藤井七段の6勝1敗で、将棋ファンにも驚きが広がりました。

 その際、唯一の黒星を付けたのが永瀬二冠(当時は六段)でした。