愛知県西尾市の河川敷に女性の遺体が入ったスーツケースを捨てたとして、31歳の中国国籍の男が逮捕されました。

 東京にいた女性の失踪直後、愛知県に住む容疑者の車は都内で確認されていました。2人の間に一体何があったのでしょうか?

■河川敷に女性の遺体が入ったスーツケース捨てる…31歳男を逮捕

 警察官に囲まれ、車に乗り込む一人の男。中国国籍で知立市の会社員・朴鐘日容疑者(31)です。

 警察は去年7月ごろから8月ごろに、知人の中国人女性の遺体が入ったスーツケースを、西尾市の河川敷に捨てた死体遺棄の疑いで、朴容疑者を13日に逮捕、15日朝、送検しました。

 スーツケースの中から見つかったのは、中国国籍の王敬さん(当時37)。

 逮捕された朴容疑者と、変わり果てた姿で見つかった王さん。

 2人の間に一体、何があったのでしょうか?

■女性は去年6月に来日…7月には弟との連絡が途絶える

 去年10月、西尾市鵜ケ池町の矢作古川の河川敷で、スーツケースの中から一部白骨化した王さんの遺体が見つかり、警察は死体遺棄事件として捜査を開始。

 スーツケースからは、王さんの写真付きの身分証明書のほか、中国の紙幣などが入った財布などが見つかっていました。

 王さんは去年6月、中国から来日。東京・池袋のマンションなどに滞在していましたが、去年7月、中国にいた弟との連絡が途絶えたといいます。

弟が相談していた弁護士:
「2,3日に一回、弟さんとチャットとかしていたと聞いています。6月2日に日本にいらっしゃって、最後に連絡がとれたのが7月4日ですね」

 そして去年8月に、王さんの弟から警視庁に行方不明届が出されると、愛知県警は事件発覚からおよそ1か月、王さんの知人への聞き込みなどから、朴容疑者が関係しているとみて捜査を開始しました。

■事件発覚から約1か月で朴容疑者が浮上も逮捕まで9か月…捜査に「新型コロナ」が影響

 しかし、そこから逮捕までにかかった期間は、およそ9か月。ここまで時間がかかった理由は…。

<愛知県警の捜査幹部>
「国をまたいでの捜査となる。新型コロナの影響で、身元確認などに時間がかかってしまった」

 東京にいたはずの王さんが遺体で見つかったのは、遠く離れた愛知県西尾市。朴容疑者と王さんとは中国のSNSで知り合ったとみられ、王さんが失踪した去年7月4日ごろ、朴容疑者の車が都内で確認されています。

 朴容疑者が住んでいたのは、愛知県知立市。

 捜査関係者などによりますと、朴容疑者はコンビニの本部社員で、西尾市周辺の店舗を経営の指導で巡回していて、王さんの遺体を捨てた現場の土地勘があったとみられています。

 愛知県警は、今後の捜査に影響があるとして、朴容疑者の認否を明らかにしていませんが、朴容疑者が、王さんが死亡した経緯を知っているとみて調べています。