新型コロナの影響で、名古屋の中心部・栄地区の再開発に遅れが出ていますが、今後も懸念材料があります。

栄地区は、ここ数年で大規模な再開発計画が続々と発表されています。一等地の栄広場には、地上36階建て・高さ200メートルの高層ビル計画があります。三越が入るビルも、地上34階建てに建て替える計画です。

 近い将来、栄の姿は一変するといわれていますが、新型コロナ後の生活スタイルの変化による影響を心配する声があがっています。

 例えば「ホテル」。テレビ塔のほか、栄広場のビルも、三越が入るオリエンタルビルも、すでに工事が始まっている中日ビルも、ホテルが入る計画があります。

 また丸栄跡地の西隣、明治屋の跡地にも、外資系高級ホテルを誘致する計画が持ちあがっていました。

 栄地区の客室数が急増することになりますが、都市開発に詳しい名古屋学院大の江口教授は「訪日外国人客をターゲットにする高級ホテルが多く、海外の感染状況を考えると回復までに長い時間がかかり、相当逆風となるだろう」と指摘します。

 また、ビルの高層化でオフィスの供給も大幅に増えることになりますが、これについても「テレワークの普及でオフィス需要は増えてこない。再開発の中身などを見直す動きが出てくる」としています。