暑さが続く中、「エアコン」が欠かせないものになっていますが、今年の夏は例年と違い家で過ごす時間が増え、電気代も気になります。どうれば節約できるのか、疑問や噂をエアコンメーカーの「ダイキン工業」に聞き、上手な使い方を教えてもらいました。

■エアコンの電気代どっちがお得?「つけっぱなしか、こまめに切るか」

 節約に関する疑問について答えてくれたのは、エアコンメーカー「ダイキン工業」の高木さんです。

1つめの質問は「つけっぱなしか、こまめに切るか」。

ダイキン工業の高木さん:
「30分以内の外出ですとか、30分以内でその部屋から人がいなくなるとか、そういった状況ですとつけっぱなしの方がお得です」


30分くらいの外出であれば、「つけっぱなし」の方が、お得だといいます。

高木さん:
「オンオフの動きをなるべく少なくすることが省エネになるポイントです」


電源を入れた直後は暑い室内を急激に冷やすため、その分電力を多く消費します。しかし、つけっぱなしの場合、一度冷やした室温を維持するだけなので、その後の消費電力は少なくて済みます。

一方、つけたり消したりを繰り返すと一度冷えた室内の温度が再び上がり、また急激に冷やして…を繰り返すため、電力をより多く消費し、その分電気代がかかるということです。

 ちなみに、電気代の節約に有効なのがフィルターの掃除です。

高木さん:
「フィルターにホコリや汚れが溜まってしまうと、空気を十分に吸い込めず、冷やした空気を十分に部屋に送り込めないという状態になってしまう」

1年間フィルターを掃除しないと消費電力は、およそ25%も増えてしまうといいます。

■電気代を抑えるために「水をかけて室外機を冷やす」は有効?

 そして今、電気代を抑えるためになるという噂の「室外機を冷やすため水をかける」。この噂は本当なのでしょうか。

高木さん:
「(室外機は)頑丈なもので、台風くらいでしたら全く問題ないです。(直接水をかけるのは)電子部品や電子盤に水がかかったりすると、事故につながったりショートしてしまったりということが考えられるので、直接は(水を)かけないでください」


「室外機に水をかけると良い」という噂はウソ。とはいえ室外機が熱くなりすぎると冷房の効率が下がるのは本当だと言います。

高木さんは「なるべく日陰に設置したり、よしずやすだれを1メートルくらい離したところに設置して日陰を作る」ことで室外機が熱くなりすぎないようにすることを薦めています。

また、室外機の周りの打ち水なども、節約につながるそうです。

■新型コロナ感染防止に必要な「脱密室」…効率的な換気方法は?

 今年は新型コロナの影響で換気も必要ですが、部屋の冷気を逃がさないため、閉め切りたい気持ちにもなります。

高木さん:
「窓を2か所開けると、より効率的に換気ができます。できれば部屋の対角線に(窓が)位置していると、空気が部屋の中、全体を通り抜けてもう片方の窓から出ていきますので、非常に効率的に換気ができます」


近くの窓を2か所開けても、空気が狭い範囲で循環するので効果的ではないうえ、空気の通り道がちゃんとできていないと、風が抜けず空気がこもってしまいます。 

窓が1か所しかない部屋の場合は、窓を開けて扇風機を使うのが有効です。窓の方向に向けて使うのがいいそうです。さらにこんなポイントも…。

高木さん:
「風が入ってくるほうの窓を、狭く開けてください。逆にもう片方の空気が出ていくほうの窓を、広く開けてください。なぜかというと、空気というのは狭いところから広いところへ抜けていく性質があるので、部屋の中の空気に動きをつけて、効率的に換気していただけたらと思います」

換気の目安は、1時間に5分-10分程度することが望ましく、換気の際もつけっぱなしのほうが、電気代の節約につながるということです。