愛知県岡崎市にまるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような横丁があります。

 訪れたのは、「松應寺(しょうおうじ)横丁」。

横丁の名前にもあるお寺の参道には、40メートルほどの木造アーケードがかかり、その周りには家屋がみっちり。

まるで昭和にタイムスリップしたかのようなノスタルジックな空間には、カフェや雑貨屋など16の店が並びます。

松應寺は1560年、徳川家康が父・広忠(ひろただ)のために建立したお寺で、葵の御紋もありました。

太平洋戦争の終わりごろに空襲で壊滅的な被害に遭い、終戦後、焼け野原となった境内には闇市が立ち、その後、ひしめきあうように家屋が立ち並んで、現在の姿に。

一時は時代に取り残されましたが、およそ20年前、お寺と地元の人たちが町おこしを始めました。

 横丁にあるスイーツショップ「パスレル」。

古民家をおしゃれに改装したお店です。オーナーの 三戸ゆかりさんが2年前に店を作りました。

この時期のオススメのケーキは、「巨峰とシャインマスカットのタルト」。

それに、松應寺の境内で採れた梅をジャムにして炭酸水で割ったさわやかな梅ジュースがよく合います。

 三戸さんは岡崎市が地元ですが、7年前の「あいちトリエンナーレ」がきっかけで初めてこの横丁を訪れてひとめぼれし、この店を開こうと決心しました。

松應寺横丁の店舗は自ら改装を行うのが決まりで、三戸さんも 職人さんに手伝ってもらいながら、1年かけて自分で内装の工事を行ったといいます。

ノスタルジックな横丁には、おいしくて美しいスイーツで町を盛り上げようとする素敵なパティシエがいました。