愛知・岐阜でも前倒しに向けた動きが出てきた緊急事態宣言の解除。
愛知県の大村知事は2月末での解除を国に要請しましたが、背景には感染状況を示すデータが改善したことがあります。
国の指標でみると、人口10万人あたりの1週間の新たな感染者数は、緊急事態宣言直前は29人でステージ4でしたが、22日までの1週間では4.7人で、ステージ2まで下がりました。またポイントとなる病床使用率も、22日時点で30.3%まで下がりました。

知事は今週末には入院患者が300人ぐらい、病床使用率にして25%程度にまで改善できるのではとしています。
また、愛知と岐阜は経済圏が一体であるため、大村知事は岐阜県と協議するとしています。ただ岐阜県の古田知事は、病床使用率が20パーセントを切ることと、感染者が200人を超える美濃加茂市の木沢記念病院のクラスターの終息をポイントにしていて、22日時点では解除には慎重な姿勢でした。国がどう判断するのか注目されます。

緊急事態宣言の解除が前倒しされるかどうかがいつ決まるかについては、まず23日に大村知事と西村経済財政担当相が電話会談しました。24日に菅首相が西村担当相や田村厚生労働相と緊急事態宣言解除について協議し、26日に開く政府対策本部で正式に決定される見通しです。
愛知県、岐阜県のほか、23日に政府に解除を要請した関西の3府県についても、解除の方向で調整に入っています。また福岡県については病床使用率を見て判断することになります。首都圏の1都3県は期限いっぱいまで宣言が継続される見込みです。
飲食店への営業時間の短縮要請については、大村知事は23日の会見で「宣言発令前の規制に戻るのが望ましい」と話しています。解除後の時短要請は、現在午後8時までとなっている営業時間が午後9時までに1時間拡大され、時短に応じた飲食店への休業協力金は1店舗1日6万円から4万円に引き下げられる見通しです。エリアは引き続き全県とするものの、対象を全ての飲食店とするかは今後の検討としています。

また規制が緩和されて、感染の拡がりがぶり返す恐れについては、宣言解除後もどれだけ不要不急の行動を抑えられるかにかかっています。
感染の現状について愛知県がんセンター病院の伊東医師は「減ったとはいえ第3波の初め頃と同じ状況で解除は早い。医療現場はまだ”コロナシフト”の状態で通常の医療体制に戻したい」と話しています。

改めて今は非常事態だという認識を持つ必要があり、県をまたぐ不要不急の外出は自粛が求められます。
春は卒業や入学、就職、転勤などで人が動く時期。ワクチンの一般接種までにはまだまだ時間がかかりそうで、緊急事態宣言が解除されてもしばらくは慎重な行動が求められます。