三重県出身のプロランナー・岩出玲亜選手は、3月14日の名古屋ウィメンズマラソンに出場します。東京オリンピックへの夢が破れ、収入がゼロになる中で始めたのがクラウドファンディングとYouTubeでした。

岩出選手:
「お金を稼ぐのは大変なことなんだなというのは、フリーになってから初めて気付いた」

 2年前の名古屋ウィメンズマラソン。残り1キロで驚異的なスピードを見せ、自己ベストも更新。

 日本人トップでフィニッシュしました。

岩出選手(当時):
「やってきたことが確実に成果として出ているので、しっかりこれを今後も継続して、さらにレベルアップしていきたいと思います」


 しかし、東京オリンピック代表決定レースMGCではまさかの最下位。さらに、代表最後の一枠をかけ臨んだ去年の名古屋でも、オリンピック代表の夢は叶いませんでした。

岩出選手:
「MGCを終えて、傷が癒えていなかったというか、あの時みたいにできなかったらどうしようというマイナスの部分がうまく捨てきれてなかったかな。オリンピックの切符を取れなかったので、もう(マラソンを)やめようと思っていたんですけど、名古屋終えてSNSを開いたら、『感動しました』とか『また次頑張ってください』みたいな、そうやって思ってくれる人たちに何か返したい」


 1度は引退も考えた岩出選手。かつては有名アスリートも数多く契約しているスポーツメーカーに在籍。 充実した施設でトレーニングに食事の管理と、陸上競技者として何不自由ない生活を送っていましたが、昨年9月には所属クラブを退団。

 今は支援する所属先はなく収入も「ゼロ」。人件費や移動費など、多くの費用がかかる合宿を行うのも一苦労。そこで、岩出選手が行ったのは…。

岩出選手:
「今日から宮崎合宿がスタートということで、クラウドファンディングで支援してくださった方のおかげでこの合宿ができるので」


 インターネット内で資金を募るクラウドファンディングで、合宿費用を集めます。

岩出選手:
「クラウドファンディングをやられている方に『これでどうですかね』って見てもらって、いろいろ作戦を練って作ったので、お金を稼ぐのは大変なことなんだなというのは、フリーになってから初めて気付いた」


 さらに、陸上競技者以外にも自分の存在を知ってもらうためにYouTubeデビュー。

 その甲斐もあり、目標金額をわずか半日で達成。名古屋ウィメンズマラソンへ向けた合宿を行うことが出来ました。

岩出選手:
「皆さんのおかげでこの合宿が開けて、本当に感謝しています。クラウドファンディングで支援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。こんなに自分のことを応援してくれている人がいるんだなと思った時に、もっと頑張らなきゃと思ったし、それが一番やる気になりましたね」


 1度は諦めた陸上人生…。それでも自分に走ることを続けさせてくれた人達へ。この大会で結果を出すことが、1番の恩返しです。

岩出選手:
「私を通じて、みんなが自分も一緒にスタートラインに立ったようなワクワク感であったり、ドキドキ感を味わってもらいたい。そういう意味でも、やっぱりみんなに優勝を届けたいですね」