東海ラジオの『ドラゴンズステーション』でOBの鈴木孝政さんが、多くの「お宝グッズ」の中からベスト3を紹介してくれた。いずれも「ジャイアンツ」に縁のある、驚きの思い出のものばかりだ。

 1番のお宝は、鈴木さんがプロ初勝利を挙げた1974年8月7日のジャイアンツ戦の写真パネル。バッターボックスに立つ長嶋茂雄さんに鈴木さんが投げるシーンだ。

 この写真には、長嶋さんのサインも入っている。鈴木さんが後日、試合前に写真パネルとペンを持って対戦相手のジャイアンツのロッカールームを訪ね、直々に書いてもらったという。

 ドラゴンズのユニホームを着た鈴木さんが出向くと、長嶋さんは着替えの最中。パンツ一枚姿の長嶋さんにサインをもらったそうだ。鈴木さんは「サイン(をもらったこと)はもちろん、パンツ一丁の長嶋さんの姿にも感動した」と振り返ったが、熱烈なファンの心境としか思えない。

 2番目の「お宝」は、王貞治さんの現役最後の試合(セ・リーグ東西戦)で、王さんにサインを入れてもらったバットで、「868号 巨人軍 王貞治」と書かれている。

 実はそのバットは、サインをもらう直前にカープの山本浩二さんにもらったものだという。鈴木さんは「ノーカンなことをやっていたなあ。空気を完全に読んでいない」と当時のエピソードを教えてくれた。

 3番目は、プロ初完封勝利を挙げたときのウイニングボール。このボールには、ジャイアンツの原辰徳さん(現監督)のサインが「参った!」という言葉とともに入っている。この試合で鈴木さんは原さんから見逃し三振を奪って試合終了、完封勝利を挙げていた。

 鈴木さんの「お宝ベスト3」はいずれもジャイアンツに縁のあるものとなったが、長嶋さんや王さんは当時の選手にとっても、憧れの存在だったことが伝わってきた。