57年ぶりに聖火が東海地方を走り抜けています。5日に岐阜から愛知に入った聖火リレー。密を避けるよう呼びかけていますが、初の大都市、名古屋ではどうだったのでしょうか。
オリンピックの聖火がついに東海地方へ。
中津川市の馬籠宿からスタートした聖火リレー。4日は金華山のロープウェイを登り、地元出身の俳優・伊藤英明さん(45)が聖火ランナーを務め、岐阜城の天守閣へと駆け上がりました。
その聖火は、シドニーオリンピック女子マラソンの金メダリスト・高橋尚子さん(48)にも繋がれました。
高橋尚子さん:
「聖火の炎というのは心の炎です。ここで生まれ育って、いつも走っていたコースを走ることによって、当時を思い出したり、たくさんの方に支えられ応援をしていただいたことを、改めて感謝の思いを持ちながら走らせていただきました」
そして5日、愛知の聖火リレーは瀬戸市の深川神社からスタート。第一走者は地元・瀬戸市出身の加藤唐三郎さん(72)です。
加藤さんは伝統的な瀬戸焼を手掛ける陶芸家。線で模様を刻み込んだ焼き物など、独創的な作品を作り続けています。
元々第一走者には、同じく瀬戸市出身の藤井聡太二冠(18)が走る予定でしたが、二冠になりスケジュールが過密になったことで聖火ランナーを辞退。
しっかりと左手でトーチを掲げ、沿道に手を振りながら、聖火を次へ繋ぎました。
加藤さん:
「こんな大役ですから(終わって)ホッとしましたけどね。オリンピックの成功を祈ること、それだけですよね」
地元の人:
「ランナーの方がとても笑顔で走られていて、見ていてこちらまで元気をもらえました」
別の人:
「私は前の(東京)オリンピックが10歳の時だったから。だから感激だね」
聖火リレーでは、見物客で発生する「密」が懸念されていましたが、瀬戸市では、自宅の部屋の窓から、さらに屋上から、公園のジャングルジムの上から見学する人の姿もありました。
ジャングルジムに登っていた男性:
「(登るのは)40年、50年ぶりぐらいかな。もっとかな」
密を避けるよう工夫しながら、聖火ランナーたちを見守る人の姿もありました。
その後、聖火を受け継いだのは、「万博おばあちゃん」こと山田外美代さん(71)。
山田さんは2005年に開かれた「愛・地球博」で、185日間毎日会場を訪れて一躍有名に。
前回の東京オリンピックの時、中学3年生だった山田さん。
山田さん:
「そういうことをやってみたいと。私も陸上部をやっていたので、すごくうらやましかったです」
今回、憧れの聖火ランナーに選ばれ、笑顔でその大役を努め上げました。一世一代の大仕事、家族もその姿をしっかり見守りました。
夫の鐘敏さん:
「ちょっと緊張気味でしたけどね」
息子の和弘さん:
「顔が引きつってましたね。信じられないというか、夢のような一瞬の時間でした」
そして、聖火は熱田神宮や犬山城、春日井市を回り、栄の「オアシス21」へ。
しかしここで…。
(リポート)
「聖火を一目見ようと、こちらにもあちらにもグルリと取り囲むように人が集まっています」
街中ということもあってか、人だかりが。まさに「密」の状態に。
警備員:
「立ち止まらないようにご協力おねがいします!前にお進みください!」
聖火を見た人:
「初めて見たのですごいなと。コロナ禍で密が危ないかなと少し思いました」
そして聖火は、名古屋のシンボル「ナナちゃん人形」の前を通過。
聖なる炎はまだまだ愛知を巡ります。