名古屋市北区に、2020年11月にオープンしたばかりの、まるで本物の花のような和菓子が人気のお店があります。

 お菓子が大好きな女性が、韓国のあるお菓子をきっかけに生み出したその和菓子は、その美しい見た目からSNSで話題となっています。

■色とりどりの花が咲く…おはぎの上に本物さながらの花が乗る『華おはぎ』

 名古屋市北区大曽根。名鉄瀬戸線・森下駅の北に「アン デ フラワー」はあります。

 店内には、ピンクに黄色、青と色とりどりの花が咲く、美しい和菓子が並んでいます。どれも本物さながらで、一見、和菓子には見えません。

 店の看板商品は、おはぎの上に白あんでできた色鮮やかな花がのっている「華おはぎ」(1個580円~)です。

アン デ フラワーの店主・真城裕明子さん:
「見た瞬間、“きれい”とか、“生花ですか”とか、ビックリされる方が多いです」


 下のおはぎを割ってみると中には赤飯が。華おはぎはその本物さながらの見た目から、あっと言う間にSNSで話題となりました。

女性客:
「手土産に持っていくと、開けた時にインパクトがあって喜ばれる」


 もちろん見た目だけではありません。

別の女性客:
「甘みが少なくて(味が)すごくいいと思った」

また別の女性客:
「(おはぎに)ちょっと塩気がある感じで、くどくなくて。さっぱりしていて、ペロッと食べられました」

■あんを積み重ねながら絞り花びらに…店主のセンスによって作られる鮮やかな花

「華おはぎ」は、北海道産の小豆と、きび砂糖を練ったあんを使って作られます。

 花びらは、特殊な口を持つ絞り袋からあんを出しながら、作っていきます。最初に餡を積み重ねるように絞った後、土台を回しながら一気に作っていきます。すべて店主の真城さんのセンスです。

 2分ほどで一番人気の「バラ」が姿を現しました。それをおはぎの上にのせ、葉をつけて完成。細かい花びらが折り重なり、まるで本物のようです。

 様々な形がある絞り袋の口は使い分けることで、約30種類の花を生み出します。食べるのがもったいないほどの美しさです。

 食べ方は、おはぎと花を一緒に口の中へ。滑らかで柔らかな白あんの甘みと、モチモチとしたおはぎの食感と塩気が、絶妙なハーモニーを生み出します。

■韓国で人気の「フラワーケーキ」から着想…和風にアレンジされた「華おはぎ」

 この華おはぎが生まれたきっかけは、韓国のあるお菓子の存在でした。
 
 4年前、たまたま入った東京のカフェのオーナーから、韓国で流行っているという「フラワーケーキ」について聞いた真城さんは、いても立ってもいられなくなり、韓国へ行き習得。帰国後、韓国のフラワーケーキを独自にアレンジした「華おはぎ」を考案しました。

真城さん:
「”華おはぎ”は、私が好きな、赤飯・あんこ・お花で出来ています」


 韓国では、米粉を使ったスポンジ生地の上に、あんで作った花がデコレーションされていますが、真城さんは自分の好物である「おはぎ」の上に花をのせることに。オープン直後から、和風にアレンジされたその菓子は瞬く間にSNSで話題となりました。

 コロナ禍の今だからこそ、美しい和菓子で癒される。真城さんのお店には、華おはぎを求めて多くの人が訪れています。