名古屋を中心とした食べ歩き記事が掲載されたウェブサイト「ぱるとよ」を運営しているのは、名古屋在住の料理研究家・大橋千珠さんです。

 食品のクオリティや値段に目が利く大橋さんがおすすめするベーカリーが、名古屋市熱田区にある「松川屋義永」です。お値打ちで魅力的なパンが数多くありました。

■自宅兼店舗だからコスト抑えお値打ちに…多くが100円以下のパン店

 料理研究家として年間300軒以上の店を食べ歩いている大橋さんがお勧めするパンのお店「松川屋義永」。

 熱田神宮から国道22号線を渡り西へ、大通りから1本入ったところに「松川屋義永」はあります。店内には、常時約30種類のパンが並びます。

女性客:
「お値段も安いですけど、それにかなわないぐらいおいしい」

 この店の最大の特徴はその価格です。「ミニドッグ」(70円)や「クロワッサン」(54円)など、多くが100円以下で買うことができます。

 他にも「アップルパイ」(54円)や明太子が入った「めんたいこ源氏」(76円)、「ハニーチーズ」(48円)など。なぜここまで安くできるのでしょうか。

松川屋義永の担当者:
「テナント料がないんですよ。うちの場合は自宅なので」

 家賃がかからない分、商品の価格に還元。この安さを実現しています。

■評判の一斤108円の食パン… 料理研究家が勧める美味しい食べ方

「松川屋義永」の一つ目の魅力は、「食パン」(108円)です。スーパーだと150円ほどする普通サイズの食パンが、一斤108円。ロングサイズのものでも324円です。もちろん焼きたてです。

女性客:
「(食パンは)予約しておくの。外がカリっとして、中がふわっとしておいしい」

 大橋さんはロングサイズの食パンを1本買い、1日目は焼きたてを“そのままで”。2日目は“トースト”して。3日目以降は“冷凍”して食べています。スライスになっている食パンを1枚ずつラップで包み、保存袋に入れてから冷凍庫へ。こうすることで冷凍庫の開閉による水分の蒸発が防げておすすめです。

■卵や牛乳不使用…アレルギー持つ人にとっても安心なパン

 2つ目の魅力は「子供も安心して食べられる」ことです。「松川屋義永」は、主に学校給食用のパンを扱っていました。学校給食にはアレルギーを持つ子供でも食べられるように、「卵や牛乳を使ってはいけない」という規定があります。

 店に並ぶのはそれと同じパン。そのため子供はもちろん、親も安心して食べることができます。クロワッサンも卵や牛乳を使っていません。

大橋さん:
「クロワッサン生地って、結構コクがあるのが特徴ですが、(卵と牛乳が)使われていない分、3、4個パクパクっといけちゃうぐらい軽い味わいです」

■美味しく食べてもらうために…気温15度以下でないと販売しない「クリーム系のパン」

 3つ目の魅力が、気温が15度以下の日だけ販売される「クリーム系のパン」です。

 この日並んでいたのは、苺を乗せた「フルーツ源氏」(70円)や「カスタードコロネ」(64円)などのクリームを使ったパン。松川屋義永では、その日の気温に応じて、出すパンの種類を変えています。

松川屋義永の担当者:
「(気温15度以上ある日は)30分ぐらい持って帰るうちには溶けていますから。商品が悪くなるから出さない」

 気温15度が目安です。それより低い場合はクリームを使ったパンが出て、逆に高い場合はエッグタルトやドーナツなど、温かくても痛みにくいパンが並びます。

 安いだけでなく、味も抜群に美味しい街の人気のパン店は、商品に細やかな気遣いもありました。