オレオレ詐欺などの特殊詐欺で、高齢者の被害は後を絶ちません。今年は3月に愛知県で急増しました。名古屋では、4月に女性が特殊詐欺に気づき、犯人逮捕に繋がる事件がありました。

 どんな事件だったのかや、特殊詐欺にあわないための注意点を改めて取材しました。

 4月24日、名古屋市に住む64歳の女性宅に、息子をかたる男から「会社のカバンをなくした」と電話がありました。

 その後、鉄道会社の落とし物センターを名乗る男から「カバンがありました」と電話があり、再び息子を名乗る男から「カバンの中の金がなくなった。300万円用意して」と電話がありました。

 女性は電話のやり取りの中で、息子と違う名前で呼びかけても返事をすることを不審に思い、警察に通報。

 その後もだまされたフリを続け、息子の同僚を名乗って自宅に現金を受け取りに来た男を、駆け付けた警察官が現行犯逮捕しました。

 こうした特殊詐欺の被害は、ここ数年は減少傾向でしたが、3月は急増しました。

 愛知県警の担当者は「平日の昼間に発生しやすいので、特に注意をしてほしい」と話しています。

 平日の昼間は高齢者が一人でいる可能性が高く、家族も仕事中のため相談しにくいということ。また、犯人は役所や警察の関係者を偽ることもあり、不自然でない時間帯に電話をすることが理由として考えられます。

 愛知県警は、特殊詐欺の被害を防止するため『三必に注意!』と呼びかけています。

 電話の中で「現金が必要」、「キャッシュカードの交換や保管が必要」、「ATMでの手続きが必要」というキーワードが出てきたら注意してほしいといいます。

 電話を切ってゆっくりと考え、周りの人や警察などに相談してください。