名古屋市中区に2020年11月にオープンした、会話はすべて英語で行われるアメリカ発祥の「子育て教室」には、0歳から13歳までの子どもたちが通っています。

「将来はグローバルな活躍を」。世界でも人気の最新の子育て教室に子どもを通わせる親には、様々な思いがありました。

■全て英語の子育て教室…親が求めるグローバル社会生き抜く力

 名古屋市中区の久屋大通パークにある、子育て教室「マイジム栄店」。アメリカ・カリフォルニア発祥で、世界に600店以上を展開。2020年11月、東海地方に初出店しました。

 運動、プログラミング、アートの3種類の講座があり、1コマ50分のプログラムを月4回(月額22000円~)。会話は全て英語です。

母親:
「グローバル社会なので、これからいろんなことを体験してほしい」

父親:
「子どもに英語を使った環境を与えたいと思って」

 大半の親が求めるのは、グローバルな時代を生き抜く力です。

■英語を使って遊ぶ「フィットネスジム」…通って1か月で既に英語を口に

 午前9時。子どもたちがやって来ます。外国人の先生と英語を使って自由に遊ぶのが、「フィットネスジム」。運動能力だけでなく、道具を使うなどして想像力も養います。元気いっぱいの3歳の佳可ちゃん。

佳可ちゃんの父親:
「(出張の時)現地の人とコミュニケーションが難しい。宴会のとき全然話せないと寂しいですね」

 メーカーに勤めるこの父親は、海外出張の苦い経験から、娘を通わせることに決めました。佳可ちゃんは、通い始めたばかりなのに、すでに家で英語を口にするようになったといいます。

■アートを英語で学ぶ…母親「世界中に友達できれば」

 隣の教室では、モノを作ったり、絵を描いたり…。アートの講座では、様々な表現方法を通して、海外の文化も学ぶことができます。3歳のゆいちゃんがペタペタ貼っているのは、ベネズエラで人気という水玉模様です。

ゆいちゃんの母親:
「工作することが好きなので。英語もできるな、ということでここに通っています」

 週に一度、通い始めて5か月。ゆいちゃんも家で英語を口にするといいます。母親は、「世界中に友達ができれば」と話します。

■ママ友の交流の場にも…悩みを分かち合い子育ての情報交換

 お昼時。この教室で出会った4人のママの集まりです。1歳半の子どもをフィットネスジムに通わせている母親は、「育児の悩みなど、家族には話せないことを分かち合えるママ友は戦友」と話します。

 教室は、子育ての情報交換の場にもなっていて、この日は「幼稚園、保育園、教育と保育を担うこども園、どこに子どもを預けるのがベストか」が話題。

子どもと教室に通っている母親:
「身体を動かす系ではマイジムももちろん、スイミング。もしコロナがなかったらやらせたかったですね」


 4人の理想の習い事の「運動と英語」。その両方を兼ね揃えているのが、この教室でした。

■父親「人口多く競争激しい」…中国では幼児からの英才教育は当たり前

 中国出身の3歳のふみとしくん。1歳の時、中国で「マイジム」を始め、両親の転勤で名古屋に来ました。

ふみとしくんの母親:
「1歳未満だと中国でもマイジムが人気で、みんな早いうちに始めています」

 ふみとしくんの父親は、「中国は人口が多いので、競争が激しい」といいます。中国では幼児からの英才教育は当たり前。自宅では毎日寝る前に、英語の動画を見せたり、アプリで数学を学ばせたりしています。

■プログラミングを英語で学ぶ…論理的思考力や問題解決力などを鍛錬

 こちらでは、タブレットに集中。今話題のプログラミング教室です。外国人の先生指導のもと、ソフトにプログラムを入力し、ロボットを動かします。これで鍛えられるのが、「問題解決力」や「論理的思考力」。8歳の幸志郎くんと、5歳の華蓮ちゃんは、兄弟で参加しています。

 貿易会社などを経営する2人の父親は、ニューヨークの大学院に留学した際、「学校で習った英語では応用が利かない」と感じました。

2人の父親:
「勉強よりも、その人(海外の人)たちと会話ができる環境においてあげるのが一番いい」


 2人は0歳児の時から、様々なイラストのカードを連続して見せる、脳のトレーニングを受けてきました。2歳からは、おもちゃやDVDを使った英語教育をしています。

 2人の母親は「0歳の頃は、可能性を探るために様々なことを体験させた。今は、その可能性をより広げてもらいたい」と話します。可能性を広げ、将来の選択肢を増やす…。イマドキの子育て術です。

■母親の夢は「子供の通訳で海外旅行」…子どもたちにグローバルで勝ち抜く力を

 5歳のたかやくん。

たかやくんの母親:
「私が全く英語ができないので、習わせるならネイティブで小さい時からって」

 母親の夢は、子供の通訳で海外旅行をすることです。

 こちらは、教室に通うことを自ら志望した2歳のむったくん。

むったくんの母親:
「体験に来てみて、『やりたいやりたい』っていうので通うことにしました」

 家で「グリーン、イエロー…。ハンド」など話すようになったむったくんを見て、母親は「聞いているだけでしゃべれるようになるんだ」とびっくりしたといいます。

 グローバルな時代に未来を拓く力を…。そこには、世界を見据え子育てに励む大人の姿がありました。