東海地方では今年に入り、ロレックスの腕時計を狙った事件が複数回発生しています。ロレックスが狙われる背景について、専門家に伺いました。

 三重県菰野町で6月1日、四日市西警察署の刑事課の男が会社役員の男性の自宅に侵入し、ロレックスの腕時計3本と指輪、合わせて1000万円相当を盗んだ疑いで逮捕されました。

 名古屋市の買取店で腕時計2本が売却されていて、代金の振込先の口座から男が浮上し、逮捕に至りました。

 調べに対し、男は容疑を認め「車の購入などで約200万円の借金があった」「被害者の家に事件の捜査で約2年前に訪れたことがある」と供述しています。

 今年2月には、ネットオークションに出品されていた300万円相当のロレックスを買うふりをして名古屋市瑞穂区の駐車場に出品者の男性をおびき出し、襲って奪い取ったとして男が逮捕されました。

「ロレックス」が狙われる背景には、価格が高騰していることが一因ではないかといわれています。

 ブランド品のリユース品などを中心に扱うコメ兵・名古屋本店では、定価約130万円の時計に中古品で約400万円の値が付けられていました。定価約100万円のものは約240万円でした。(6月10日時点)

 コメ兵・名古屋本店の店長は「ロレックスは4,5年前から価格が高騰している。中国をはじめ海外旅行客の需要が増えて品薄になっていた」と話しています。

 中京大学経済学部の内田俊宏客員教授によると、高騰の原因はコロナの影響も考えられるといいます。

 コロナの影響で生産が縮小傾向になり、流通量が減少する一方で、富裕層のコレクターは増加しています。

 富裕層は、旅行や高級外食などに行く機会が減少し、お金の使い道が限定される中、金などと同様に投資対象としてロレックスを買い集めており、需要と供給のバランスが大きく崩れたことが高騰の要因ではないかと話しています。