被害総額60億円以上とみられる『OZプロジェクト』をめぐる巨額の投資詐欺事件で、警察は3年以上に及ぶ捜査の末、ついに首謀者ら男4人の逮捕に踏み切りました。

 事件の構図は逮捕された4人のうち、3人が首謀者とされていて、石田容疑者が発案者とみられています。

 石田容疑者から指示を受けた山下容疑者が、勧誘役のトップとして出資者を募る人たちをとりまとめ、橋谷田容疑者が集めた金を暗号資産で運用する役割だったとみられています。

 彼らが謳っていたシステムでは、100万円を投資すると、AIを使った仮想通貨への投資で4か月後には「250万円になる」という話でした。

 このOZプロジェクトが始まった2017年は仮想通貨ブームで、取材した被害者の中には目新しいものにひかれて出資してしまったという人もいました。

 山下容疑者らはそうした時代の流れに目をつけて、つけ込んだとみられていまし。また紹介すれば紹介するほど報酬がもらえる仕組みも、被害拡大の要因の1つとみられます。

 首謀者3人の下に、戸島容疑者を含む複数の「認定講師」と呼ばれる人たちが、報酬1万円あまりを受け取り、全国53か所でセミナーを開き出資者の勧誘をしていました。そのセミナーに参加した出資者が別の出資者を見つけ獲得すると、紹介料がもらえる仕組みがあり、被害が拡大していったとみられます。

 警察によりますと、AIトレードなどで運用された実績はないとみられていて、集めた金がどこからどこへと流れていったのかなど今も不透明な点が多く、警察は今後の捜査で明らかにするとしています。