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し尿処理等「迷惑施設」集中する地域に…今度は『ごみ焼却施設』計画 住民「何でここなの?」市の回答は

05月31日更新

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岐阜市のごみ焼却場の建設候補地となっている岐阜市曽我屋地区の住民の男性から投稿がありました。投稿では、「私が住む地区には『迷惑施設』が集積しています。さらに、ごみ焼却施設の新設の話が来ているとうわさされています。どこかにつくらないと市民生活は成り立ちませんが、特定の地域に負担を押しつけるのには納得できません」。

男性のいう「迷惑施設」とは、下水処理場や廃棄物の処分場、ごみ焼却施設など、生活に不可欠でありながら、地元の住人には歓迎されない公共施設のことです。なぜ、その地域に集中しているのか。住民の理解を得るには何が必要なのか。東京にある最先端のごみ焼却場にも足を運び、考えました。

■町に“ごみ焼却施設”の新設計画…「何でここなの?」説明求める男性の訴え

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投稿を頂いた男性の住む曽我屋(そがや)地区へ。曽我屋は岐阜市の西の端。すぐそこは北方町というエリアです。

投稿者の男性(60代):
「この景色が好きだったんで…。農村というか、そういう環境の中で生活している時に、ある意味“迷惑施設”がぽつんぽつんとできてきて」

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多くの住民は、町にこうした“迷惑施設”が多すぎると感じているといいます。男性が指したのは、サッカーができる天然芝のグラウンド。きれいに整備された施設ですが、この下に下水処理場があります。

投稿者の男性:
「下水は自分たちの環境も良くなったし…。(別の場所に)し尿処理場ができた時は、さすがに複雑だったかな。バキュームカー、あれってそれなりにニオイがあるじゃないですか」

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周辺には、家庭から出る排水などを集めた「浄化槽汚泥処理施設」や、「粗大ごみの搬入施設」も…。狭いエリアに4か所も固まって建っています。さらに、今持ち上がっているのが「ごみ焼却施設」の新設計画です。

投稿者の男性:
「(ごみ)焼却場というのは車の出入りとか、排煙とか…。ここ(下水処理場)は許せても、焼却場は許せんかもしれない。『何でここなの』ということですよね」

どこかにはつくらなければいけないと理解を示しながらも、「なぜここなのか」。男性は、納得がいく説明が欲しいと話します。

■なぜ曽我屋地区が選ばれたのか…候補地選定報告書の肝心な箇所は「黒塗り」

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「建設候補地になぜ曽我屋地区が選ばれたのか」。候補地選定の過程を調べるため、岐阜市に情報公開請求をしました。

しかし、取り寄せた「次期クリーンセンター建設候補地選定報告書」では、検討された他の候補地や、その数などの肝心な部分は「真っ黒」に。これでは、他にはどこが候補地で、どのような手順を踏んで選んだのか、市民は知ることができません。曽我屋が選ばれた理由について…。

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<次期クリーンセンター建設候補地選定報告書>
「施設の基本方針および、施設に求める新たな役割であるエネルギー拠点、防災拠点を最も実現しやすいと思われる建設候補地を以下の通り選定した(曽我屋7丁目)」

■「市民に誤解を招く場合があるため」…他の候補地や数が非公開の理由

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焼却施設の計画を進めている岐阜市役所の環境施設課に、なぜ今回このような施設が集中している曽我屋地区を、新たなごみの焼却場の建設地候補として選定したのかを聞くと、担当者は「今回選定したポイントは寺田プラントや北西部プラントの他にも、市が管理する公共施設が数多くある地区。廃棄物で回収されるエネルギーをこれらの周辺公共施設で活用できるということは、施設を建設する上で大変大きな利点となる」と、曽我屋地区を選んだ理由の1つとして、ごみの焼却でつくる電気や熱を周りの公共施設に供給できるメリットがあると話しました。

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選定の過程を「黒塗り」にした理由については、「現在は学識経験者からの意見をもらって建設候補地を選定し、これから地域の理解をいただく」とし、意思形成の段階で評価項目や配点などの選定手法は示していると説明しました。

また、他に検討された候補地や、その数などが決まった段階で、なぜ公開されないのかについては、「選定段階における市民への情報公開は、意思決定過程における情報で、市民に誤解を招く場合がある」とし、他の建設候補地の情報を公開するのは他の地域での混乱を招く恐れもあるため、非公開としたといいます。

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市民に誤解や混乱を招く恐れがあるため、選定過程は公開できない…。曽我屋地区が選ばれた経緯は、結局よく分かりませんでした。

■全国の自治体が注目…東京都武蔵野市の最先端の「ごみ処理施設」

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全国の自治体から注目を集めているごみ処理施設があります。4年前に、東京都武蔵野市に建てられた「武蔵野クリーンセンター」です。この施設では、開館中であれば誰でも見学することができます。

見学者がくつろげる明るいホールの天井には、リサイクルガラスで作られたペンダントライトが吊るされるなど、施設のレイアウトも含め、全て市民と協議しながら建設が進められたといいます。

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さらにこの施設では、ごみがクレーンで運ばれていく様子をガラス越しに見学することができます。過去には、ごみ処理見学をしながらお酒を楽しむというユニークなイベントも開催。地域住民に好評でした。

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現在2代目というこのクリーンセンター。初代のセンター建設の際、周辺から反対運動が起きたことをきっかけに、市民も交えて候補地を選定することに決めました。

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今回の建て替えでも、市民参加のもと計画が進められ、周囲の環境に溶け込むよう雑木林をイメージした外壁や、においを外に出さないよう工夫された地下のごみ搬入口がつくられました。“迷惑施設”建設の際に大切なことを聞くと、武蔵野市の担当者は「近隣住民との信頼関係」と話し、信頼を得るには「包み隠さず報告をすること」と指摘しました。

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市民と共につくり上げることで、透明性が確保されるだけでなく、デザイン性や機能性にもすぐれた施設になりえるといいます。市民参加のもとに計画を進める。包み隠さず報告し信頼関係を得る事が大切なのかもしれません。

  • 中日新聞

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