名古屋市緑区にある、83年の歴史を誇るナガサキ工業。
電線を吊るす金具やフォークリフトの部品など“工業用製品”を作っています。
ナガサキ工業・松永裕詳さん
「鉄の切断、穴あけ、曲げ、溶接、全ての工程に対応できる会社になります」
そんな「鉄のプロ集団」が、1年半の試行錯誤を経て、プライドをかけて今年売り出したのが……

バーベキューグリルです! その名も「flames(フレームス)」。
でも一体、なぜ作ったのでしょうか?
同・松永さん
「単一の物ばかり作って、同じお客さまとばかり付き合っている状態というのは、仕事が減ってしまうリスクも抱えています。自分のところで設計して売るという仕事の仕方を経験しておくことで、生き残るための術が一つ増えることになればいいと思っています」

鉄を知り抜いた職人が作るバーベキューグリル。
一般的なグリルとはわけが違い、ふたを含めると重さは何と19キロ!
まさにヘビー級。男気にあふれています。
中でも注目すべきは鉄板。その厚さが9ミリもあるんです。
ここに鉄のプロならでは“こだわり”がありました。
同・松永さん
「薄い板で作っても熱で変形します。うちは工業製品を作っているので、変な曲がるものは作りたくないから、丈夫な物を作ってしまおうと開き直ってこの重さになっています。一生使えるかなと」

軽い、便利、持ち運べるの時代とは真逆を行く“一生モノのバーベキューグリル”。
果たしてどんな感じで焼けるのか確かめてみると…、肉が固くなりがちなバーベキューですが、表面がパリッと焼けているものの、中にはしっとり感が!
その理由は“分厚さ”。
実は、鉄は分厚いほど保温力が高く、ゆっくり、じっくりと食材に均一に火が入る特性があります。
厚めの肉でも食材の水分を中に閉じ込め、外はカリッと、中はジューシーに焼き上がるんです。
同・松永さん
「この地域で作ったものが世の中に出て、皆さんに認めてもらえたら嬉しいです」

4月2日に発売されたバーベキューグリル「flames(フレームス)」。
グリルと鉄板が別売りになっていて、グリルが3万4800円、鉄板が1万2400円で、合計4万7200円(税抜き)と、なかなかの値段。
受注生産で、4月11日午後5時半現在、受注は……発売後間もないこともあり、まだゼロ!
記念すべき“受注第1号”はどなたの手に…!?