「ラン活」という言葉、皆さんはご存知でしょうか?

実は、小学校入学を控えた子供の“ランドセル”を購入する“活動”のことなんです。

東海地方では特に早く、ゴールデンウィークがそのピーク。加熱する「ラン活」事情を取材しました。

4月末、名古屋市中村区のランドセル専門店「村瀬鞄行」。

工房と併設された直売店には、この時期すでにお客さんの姿が…。

ランドセルを背負った女の子:
「かわいい!」

ランドセルを買うのは“来年度”の新1年生。

まだ10か月以上ある!と思ってしまいますが…。

買いに来た母親:
「人気のモデルが売り切れてしまったりして、早めに注文しないと3月とかギリギリにしか届かなかったりして、ドキドキしてしまうので」

ランドセルメーカーによる去年のデータでは、およそ7割の人が夏までに購入しているのだそう。早い時期に買う人が増えているんです。

村瀬鞄行の工房では1つ1つの工程を手作業でおこなっています。

村瀬鞄行社長:
「メインのランドセルは『匠』というものなんですけれども、通常はランドセルの端の表裏・両側にしわが寄るんですが、“きくよせ”というしわを寄せて作る技術を使っています。(作れるのは)大体1ヵ月に50個くらいですね」

村瀬鞄行の「匠」は1つ7万7000円から。“工房系”のランドセルは東海地方では特に人気だということです。

同社長:
「5年くらい前ですかね、『ラン活』(=ランドセルの購入活動)という言葉が出てきて、いろんなお店を回って、1番!と言うのを買われるんです。早く手に入れよう、というのが始まりかと思います」

色とりどりのランドセルが並んだ松坂屋名古屋店。

今年3月末に売り場を設け、380種類のランドセルを揃えました。

売り場で目立つのは、孫のランドセルを選ぶ、おじいちゃんとおばあちゃんの姿です。

ランドセルを買いに来た祖父:
「早く選ぶようになったので、じゃあ祖父母で買ってあげようかなって」

松坂屋の担当者:
「おじいさま・おばあさま、お父さま・お母さま、お子さまという3世代のご来店が非常に多く、去年の平均単価が6万7000円で今年のシーズン終わりには6万9000円から7万円と予想され、高いものが早い時期に売れています」

松坂屋では4月までで、すでに180個が売れたそうで、この勢いは去年の倍とのこと。

色やデザインも様々なランドセル。

名古屋市中区にある、メーカー直営店のセイバン栄では“コンシェルジュ”が、100種類以上の中からランドセル選びをサポートしてくれます。

ランドセルコンシェルジュの女性:
「体にご負担なく背負ってもらえるランドセルを選んでいただけるのがポイントだと思います。肩ベルトをしっかり上に立ち上げるために内蔵されている樹脂パーツのことを“天使のはね”と言います」

肩や背中への負担を減らしてくれるのが人気のポイントです。

母親:「軽い?重い?」
女の子「軽い!」

豊富な種類に、時期の前倒し…。ランドセル商戦は過熱し続けています。