「モーニングアタック」という言葉、ご存知でしょうか。

 一日の始まりである朝、気持ちよく目覚めたいにもかかわらず、花粉症の方が見舞われてしまう“花粉からの攻撃”のことです。「アタック」に備えるにはどうすればよいのか…、取材しました。

 東海地方でもついに始まった花粉シーズン。気象予報会社ウェザーニューズが作成した花粉飛散マップによると、東海3県でも既に花粉が飛び始めているようです。

 19日朝の名古屋市内を取材すると、マスク姿の人がたくさん。風邪などの予防かと思いきや…。

<街の人>
「花粉用です。鼻水がちょっと出てくる」
「昨日あたりから鼻水が少し…。ズルズルしてます」

 街の人にも、早くも花粉症の症状が出始めているようです。東海地方でも間もなく本格的に飛散するとみられています。

 花粉症の症状が特に辛い時間帯について聞いてみると…?

<街の人>
「朝起きた時と、晴れている時とか」
「ひどい時は目やにで目がひっついて開かなかったり。結構目が腫れる。かゆみがすごい」

 ウェザーニューズが「つらい時間帯」を調査したところ、「朝7時頃」という答えが最も多くなっていました。

 朝起きた時が一番つらい…そう!これが「モーニングアタック」です。

■「モーニングアタック」考えられるメカニズム

 本来、夜から朝の飛散量は減るはずなのになぜ、朝が一番辛くなるのでしょうか?

 名古屋市中川区の藤田医科大学ばんたね病院。2月に入って花粉症の症状を訴える患者さんがちらほら…。なぜ、モーニングアタックは起こるのでしょうか?

ばんたね病院総合アレルギーセンター近藤副センター長:
「自律神経の調節障害というのがあります。通常起きたあとは、交感神経が優位になるのですが、花粉症の人は交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくて、副交感神経優位のままでいます」

 交感神経と副交感神経はアクセルとブレーキのような役目を果たしていて、寝ている時は副交感神経が優位になり、リラックスした状態を作り出します。

近藤副センター長:
「交感神経というのは血管を収縮させる作用があります。副交感神経はその逆で血管を開く作用があります。鼻が詰まっていたり、鼻汁が出やすくなったりするのはそのせいなんです。もうひとつの説は、体内リズムというのがあり、もともとアレルギーというのは、アレルギーに関係ある細胞は朝方に活性化して夜に静まる、というのがあるんですね」

 最近の研究でアレルギー反応は朝方に敏感になる傾向があることが分かってきました。モーニングアタックの要因の一つと考えられています。

近藤副センター長:
「一般的には睡眠不足にならないようにしっかり睡眠をとって、朝起きた時にすぐに眠い状態で立ち上がるよりも少し手足の運動をやって、身体を動かしてから起床するのがいいです」

■防ぐために家庭で出来ること

 ただでさえ辛い花粉症…。モーニングアタックを防ぐためには、家の中に花粉を蓄積させないことが重要となります。

 まずは外から帰ったら、家に入る前に体についている花粉を払い落としましょう。そして布団などは晴れた日でも日当たりのよい室内で干すのがおすすめです。また、部屋の換気はレースカーテンを閉めると花粉の侵入を減らすことができます。

 そうは言っても相手は小さな花粉。侵入を完璧に防ぐことはできません。入ってしまった花粉は加湿機能のついた空気清浄機が効果的。加湿することで花粉が床に落ち、空気中の花粉を減らすことができるからです。

 そして落ちた花粉は巻き上げてしまわないよう、フローリングであれば拭き掃除。ウェットタイプであればより効果が期待できます。

 花粉症の方にとって憂鬱な「モーニングアタック」…。出来ることは最大限に行って防ぎたいものです。