■『生ごみの臭い』は身近な“袋”で封印できる

 室温が30度を超えてくると、どうしても気になるのが、生ごみの強烈な臭い…。いかに臭わないように処理するか、悩みの種ではないでしょうか。

 そこで、臭いの専門家とともに生ごみの臭いを検証。家にある、身近な「袋」が生ごみの臭いをシャットアウトしてくれるというのです。

 まずは街で日々、生ごみの処理をどうしているか聞いてみると…?

主婦:
「生ごみを捨てるところ、臭いますよ」

別の主婦:
「どうしてもフタしても臭うってことはあるわね」

Q.何か工夫はしていますか?
別の主婦:
「袋の中に新聞紙を入れて、その上に入れると汁を吸うのでいいかなと思って…」

Q.袋に入れてますか?
主婦:
「二重くらいにします」

 新聞紙にくるんだり、ポリ袋に入れたり…皆さんいろいろ工夫されているようですが、実はポリ袋は臭いを通してしまうため、悪臭を閉じ込めることはできないんです。

光田教授:
「生ごみの臭い、いわゆるガスは透過してしまいます」

 そう話すのは、生活環境の臭いを研究して30年、大同大学かおりデザイン専攻の光田恵教授。しかし、実は悪臭をシャットアウトする優秀な袋があるんです。

 そもそも“生ごみの臭い”は、ごみそのものが腐っていく過程で発生するガスが原因。30度以上になると菌が増え、急激にあの嫌な臭いが発生します。

 乾燥させた一般的な生ごみに水を含ませ、袋に入れたもので実験です。温度を35度にして菌を繁殖させると臭いの反応が…。

 臭いの数値を計測すると、水分を含んだ生ごみの臭いは1.3ppm。乾燥させ、10度以下で保存した生ごみの臭いは検出できないほどなので、温度の上昇とともに強烈なにおいが発生したことになります。

 生ごみに含まれる“水分”は臭いの最大の原因なのです。

■臭いを抑える極意・その1「生ごみの水気は、極限まで減らすべし」

Q.生ごみを新聞紙で包んで捨てるという方も結構多いのですが、それはいかがでしょうか?

光田教授:
「やはり水を切ってくれるという様な効果もありますし、そのままの状態で捨てるよりは効果があると思います」

 効果はあっても、臭いを完全にシャットアウトすることはできない…そこで!

光田教授:
「発生してしまったら、できるだけバリアをしてくれるもので保存するといったことを心掛けて頂ければいいんじゃないかと思います」

 そう!広がる前に、封印してしまえばいいんです!生ごみ臭をしみこませたガーゼを入れたポリ袋の外側で実験です。

 ポリ袋の外側の臭いの数値を計測してみると、「5ppm」。この方法のように、ポリ袋に生ごみ入れている方は多いのではないでしょうか。

光田教授:
「生ごみの臭い、ガスは透過してしまいます」

 やはりポリ袋では、臭いを防げないことが分かりました。果たして、臭いを通さない袋とは一体何なのか?

 実は、どこの家庭にでもある「お菓子のパッケージ袋」が驚きの“バリア効果”を発揮するんです。

■臭いを抑える極意・その2「お菓子の袋を有効活用すべし」

 お菓子の袋に使われている素材は、ラップなどと同じ“ポリ塩化ビニルデン”という素材。この袋に生ごみを入れて実験してみると、ほとんど臭いはせず、生ごみの臭いがしません。

 袋の外側の臭いの数値を計測してみると…。

光田教授:
「未検出ですね。もし非常に臭いが気になるような場合には、こういったものを使って保存しておくのも一つの方法かと思います」

 ポリ袋などに比べて、透過率は1000分の1ほど。お菓子の袋はガスを通しにくい袋なんです。

 ただし、こうしたお菓子の袋は、“プラスチック製容器包装”として資源回収の対象です。そのため、家庭で出た生ごみは次のゴミ回収日まではポリ袋に入れて、さらにお菓子の袋に入れておき保存。

 ごみを捨てるときには、お菓子の袋から取り出して、生ごみは可燃ごみ、お菓子の袋は資源として分別して捨てます。

 これで今年の夏は、“生ごみ臭”に悩まされずに過ごせそうです。