天皇皇后両陛下は22日、伊勢神宮で即位に関する一連の儀式が終了したことを報告する「親謁の儀」に臨まれました。
神宮周辺には、大勢の市民らも沿道に集まりましたが、その中には遠方から13時間かけてきた人もいました。
22日、伊勢神宮の外宮で親謁の儀に臨まれた天皇皇后両陛下。

天皇だけが着用する黄櫨染御袍に身を包んだ陛下は、二頭立ての儀装馬車に乗って参道を進まれました。

馬車を降りると雨儀廊から正宮に入り、玉串をささげて即位の礼と大嘗祭が終わったことをご報告。その後、十二単姿の皇后さまは車で移動し、参拝されました。

およそ1時間半にわたって執り行われた親謁の儀。神宮の周辺には、両陛下のお姿を一目見ようと日の丸やカメラを手に、多くの人が駆けつけました。

この熱気は、21日両陛下が伊勢に到着される前から始まっていました。
(リポート・21日)
「12時半の近鉄宇治山田駅前です。天皇皇后両陛下のご到着までまだまだ時間があるんですが、たくさんの方が集まっています」
21日、防寒グッズや腹ごしらえなど、思い思いの対策で両陛下のご到着を待つ大勢の人。孫が作ってくれた手作りの国旗や、愛犬と一緒の人も。

その中には…。
男性:
「今日は九州の佐賀から観光を兼ねて。自宅からだと13時間ですね」

佐賀県からはるばるやって来た中村輝義さん(45)。実は、上皇ご夫妻が三重を訪問された今年4月、志摩市の賢島にも馳せ参じていました。

中村さん:
「国民に寄り添っていただいてますので、その感謝も我々としては奉迎で表したいなと思っているところです」
中村さんが皇室の写真を撮り始めたのは2017年のこと。九州北部豪雨の際に、上皇ご夫妻が福岡県朝倉市を訪問されたことがきっかけでした。

以来、全国各地に赴き、皇室の写真を撮っている中村さん。陛下の即位後初となる今回の伊勢神宮参拝にも気持ちが入ります。
(リポート・21日)
「両陛下、沿道に集まった人に御料車の窓を開けて手を振って応えられています」

興奮冷めやらぬ宇治山田駅前で人だかりの中心に、中村さんの姿が…。

女性:
「(撮影して…)ありがとう」
別の女性:「私も!」
なんと、中村さんが撮影した、渾身の一枚の写真を撮影するという一風変わった現象が…。

中村さん:
「これが今日の精一杯の成果です。あたたかく笑顔で手を振って頂いたので、我々としても精一杯歓迎できたかなと思います。また明日早起きを頑張りたいと思います」

22日5時半前…。
中村さん:
「おはようございます。(Q.早いですね)早く行けば行くほど、いい場所が取れるので…」

中村さんの目的は、内宮から外宮へ移動される瞬間の両陛下。まだ薄暗い午前6時前には宇治橋前に到着しますが、すでに広場には先客も。
そして午前9時ごろ、陛下が内宮からご出発に…。

中村さん:
「(Q.どうでしたか?)ちょっと補正しないと暗いかもしれないけど…。早起きしていい場所を選んだかいがあって、満足いく写真が撮れました」

中村さんは、今後も皇室を追い続けたいと話していました。

大勢の関心を集める即位後初の伊勢神宮のご参拝。両陛下、23日は内宮で親謁の儀に臨まれます。