ツイッターやLINEなどのSNSを通じて、子どもたちが犯罪に巻き込まれるケースが増えるなか、岐阜市小学校で、親子で「SNS」に潜む危険を学ぶ授業が行われました。
岐阜市内の小学校で行われた親子授業。SNSでのトラブルに巻き込まれないためのポイントを学ぶ教室です。
KDDIスマホ・ケータイ安全教室 駒田さん:
「ネットというものは、お友達同士がつながっているわけじゃなくて、その中には悪い人も何人かいますので、トラブルにならないように気を付けてほしい」
岐阜中警察署 舟口少年補導官:
「(スマートフォンは)いろんな機能があってすごく便利です。でもすごく便利なんだけど、危険なこともあります」
講師として招かれたのは、岐阜県警の警察官と、携帯電話会社の職員です。
今や自分のスマホを持っている割合は、総務省のデータによりますと13歳から19歳までで『8割以上』。6歳から12歳でも3割以上になります。
そして、SNSをきっかけに犯罪被害にあった子どもは、警察庁のデータによりますと2017年は1813人と増加傾向です。

舟口少年補導官:
「最近のニュースで、11月に小学校6年生の女の子が男の人に誘拐されて、栃木県で見つかったっていうニュース、知っているよっていう人は手を挙げてみてくれる?」
この質問に子供達は全員挙手…。11月、大阪市の小学6年生の少女が、栃木県の35歳の男に連れ去られた事件。大阪から栃木まで約430キロもの距離を繋いだのもツイッターでした。
母親:
「(自身が子供の頃と比べて)とんでもないです、信じられないです。心配事というかいろいろ全然変わってきて、難しいなと」
別の母親:
「私のころは高校生になって、やっと携帯電話。今は生まれながらにして、iPadがある世代なんで…」
今や小学生がスマホを使うことが、特別なことではない時代。警察に寄せられるSNSに関する相談も増えてきてるそうで、実際にあった事例が紹介されました。
舟口少年補導官:
「(事例)写真を送ってほしいと言われたので、顔写真を撮って送りました。やりとりを続けていたところ、会いたいというメッセージが届きました。友達に相談したら『警察に相談した方がいいよ』と言われたので、相談電話を掛けました。お父さんやお母さんにも警察署に来てもらって、まず知らない人とLINEのやりとりをしないような設定の変更をしてもらいました」
LINEの設定画面から友達以外からのメッセージを受信できないように等の設定をしてもらったということです。
スマホやSNSを取り巻く環境が急速に変化していく中、親の心配事は…?
母親:
「アプリについては私たちは全然知らないんですけど、娘の方が詳しいので」
別の母親:
「(娘の方が)詳しいですね。知らない使い方をしてたり、こうだよって教えてくれたり。(子供のほうが)早いですね、覚えるのが」
子供は知っていても親の理解が追いつかない、増え続けるアプリを一つ一つ把握するのは難しく、何をどう気を付ければ良いのか分からないという声…。
教室ではSNSトラブルを防ぐため、親子で知っておきたい「3つのこと」について注意を呼び掛けました。
一つ目は『SNS上では、年齢や性別を簡単に偽装できること』。

舟口少年補導官:
「女の子だといってメッセージのやりとりをしていたら、実際会ったら男の子だったとか、子どもだと言っていたのに実は会ったらおじさんだったとか、本当に誰かは分からないので」
二つ目は『SNSには悪い大人がいること』。

舟口少年補導官:
「SNSで会う人全部が全部悪い人とは思わないですけど、遊びに行く約束をする時も、必ずお父さんお母さんに相談をして、その人と会ってもいいかということを確認してから会うようにして下さい」
三つ目は『個人情報は悪用されやすく名前や顔写真、学校名などを載せないこと』。

SNSでのトラブル回避のため、子どもたちの間で何が流行って、どう使っているかを親が理解し、正しくリスクを伝えることが大事です。
今回の講座を監修し、子どものネット問題が専門の兵庫県立大学の竹内和雄准教授は「スマホを使うなという指導は限界に近づいており、持つな使うなというのは現実的ではない」としていて、大切なのが家庭でのルール作りだと言います。

ポイントとしては「携帯電話会社の使用時間制限サービスを利用する」「個室では使用させず、リビングなど親の目の届く場所でのみにする」「保護者による定期的な端末チェック」などが挙げられます。