今年も残すところあとわずか…大掃除の季節がやってきました。「お掃除王子」の異名を持つプロに、ちょっと手抜きをしてもキレイになるテクニックを教えてもらいました。
  
■“プロ”が指摘する「最初に手を付けるべきところ」

 今回アドバイスをして下さったのは、日本清掃収納協会代表の“お掃除王子”こと櫻井皇児さん。手抜きしながら部屋がきれいになる」テクニックを聞きました。

 櫻井さんと一緒に名古屋市の稲吉さんのお宅へ。

 大掃除でまず初めに手を付けるべき場所、人によってさまざまだと思いますが、櫻井さんは意外なところをあげました。

櫻井さん:
「まず、壁や天井をお掃除していただきたいと思います」

 壁は見過ごしがちですが、面積が広い分掃除するとずいぶんと部屋がきれいになったと感じに。他のところをちょっと手抜きしても印象がだいぶ違うといいます。

櫻井さん:
「意外と見えないところにホコリがたくさんついているんです。部屋全体が明るくなるので綺麗になります」

 まずは、キッチンへ…。

櫻井さん:
「換気扇やガス台は皆さん掃除されてると思うんですけど、意外と人の目線にあるキッチンのボードとかパネルとか、皆さんお掃除ができてなかったりとか」

 キッチンの壁も見逃しがち…。そこで、まずはその壁の掃除。稲吉さんの家は、タイル地の壁ですが、この場合、掃除に使うものは100円ショップでも手に入るものばかり。

“セスキ炭酸ソーダ”に、キッチンペーパー、それにサッシブラシです。

 まずは、セスキ炭酸ソーダを吹き付けてからキッチンペーパーをかぶせて、湿布状にします。

待つこと5-10分。汚れが浮き上がってきたところで、キッチンペーパーごとふき取り、残った汚れをサッシブラシでこすると、みるみる落ちていきます。

 その後、水拭きと乾拭きで仕上げれば終了です、目地の油汚れも落ちました。

■「やった感」を全面に…プロの鉄則・光らせるワザ

 そして、家族など目にした人に“掃除しました”という印象を手っ取り早く与えるには…。

櫻井さん:
「『光るところは光らせる』っていうのがプロの鉄則になります」

 蛇口など金属部分をピカピカに光らせる、というのがプロの鉄則。履き古したストッキングを水で濡らして、巻き付けるように磨けば簡単!

 キッチンペーパーで拭けば、あっという間にピカピカに。

 壁に蛇口などの金属、まずはこれだけでもキッチンがずいぶんとキレイになりました。

■壁のホコリはコロコロするだけで簡単に

 続いては、リビングの壁を掃除。ここで使うのは、長い柄のついた粘着クリーナー。

 これも100円ショップで手に入ります。特にクロスを貼った壁に威力を発揮するそうですが、傷がつかないように粘着力があまり強くないものを選ぶのがポイントです。

櫻井さん:
「エアコンの周りにホコリが意外とついています」

 まずはエアコンの周りから…コロコロと転がすだけ。何のコツもいりません。テレビの裏にも、楽々届きました。とれたホコリの量を見てみると、ビッシリ。

 天井掃除もコロコロと簡単に。力もいらずホコリが舞うこともありません。

■窓も網戸も洗剤不要…網戸の掃除には「針金ハンガー」と「段ボール」

 壁がきれいになった分、今度は窓の汚れが気になります。次は窓の掃除です。

櫻井さん:
「まずはホコリがついているので、乾いている汚れは乾いているうちに取り除きます」

 最初に濡らしてしまうと、汚れが固まってとりにくくなることがあるそうです。

 そこで、まずは乾拭きでホコリを取り除き、それから水をスプレーして濡らします。20-30秒おくと、汚れが浮いてくるそうです。

 あとは、100円ショップなどでも売っている窓用ワイパーを使って、水を切るだけ。拭きあとや繊維がガラスに残ってしまうので、雑巾は使いません。

 ひどい汚れでなければ、洗剤は必要ありません。確かに、水だけでピカピカになりました。

 そのまま網戸の掃除へ。そのまま掃除機をかけても、空気ばかり吸って肝心のホコリが取れません。この時、櫻井さんが役立つというのが「針金ハンガー」と「段ボール」。

 針金ハンガーを伸ばして段ボールにつけたものを網戸の裏に当てて、掃除機で吸うと、網戸についたホコリがしっかりと吸うことができます。

 次に、水に浸したスポンジで網戸の汚れを吸着させて、バケツでゆすぎ、これを2~3回繰り返します。この方法なら、網戸を外して水洗いする手間も省けます。

 網戸も、洗剤なしで綺麗になりました。

 そしてカーテンは、洗える素材であれば、そのまま洗濯機へ。

 櫻井さんは、上の部分を輪ゴムで束ねておけば、フックを付けたまま洗っても大丈夫だと言います。面倒なフックの取り外しをすることなく楽にきれいにすることができます。

 洗濯後は、元の通りカーテンレールに吊るしておけば、干したのと同じ。そのままで乾くので手間を減らすことができます。

稲吉さん:
「明かりの感じが違いますね!」

 大掃除と呼ぶほどのことはしていませんが、手っ取り早く、部屋を明るくすることができました。

■イヤな換気扇の掃除もお手軽に

 今度は、苦手な人が多い換気扇の送付。油汚れが取れにくく大変ですが、櫻井さんが手軽にキレイにする方法を教えてくれました。

 まずはカバーを外し、セスキ炭酸ソーダを吹き付け、キッチンペーパーを貼り付けます。

 5-10分後、汚れが緩んだところでペーパーごとふき取ると…あっという間にきれいになります。

 また目に見えない溝の汚れには、端が斜めになったタイプの「割りばし」を使って掃除。この端が溝にフィットして、汚れをかき出します。

 最後は、玄関のたたきの掃除。ここで役立つのが、なんとトイレットペーパーの芯です。

 切り込みを入れて、先を斜めに切り落とし、掃除機のノズルにつけて、テープで固定します。

これを使うことで、たたきのような固い場所でもノズルを保護し、傷がつくのを防ぎます。

 隅にたまった砂やホコリも吸いやすく、使い捨てできるので汚れやすいところでも使えます。

 砂やホコリを取り除いた後、水拭きするときは、タオル地の雑巾ではなく、着古したシャツやシーツなどがオススメ。

 繊維の織り方が汚れをかきとるのに適しているということです。

 忙しい年末の中での大掃除…。効率よくキレイにするためにプロのアドバイスを試してみてはいかがでしょうか。