かつては“オジサンの飲み物”と言われたこともあるウイスキー。今や女性や若者からも支持されています。そんな中、東海地方限定のウイスキーが販売され、人気を集めています。
希少価値もつき始めたメイド・イン・愛知のウイスキーを取材しました。
2019年9月から東海3県限定で販売が始まった、メイド・イン・愛知のウイスキー、その名も『KIYOSU(=キヨス)』。

作っているのは、東海地方ではおなじみ、日本酒『鬼ころし』を手がける清洲桜醸造。今年からウイスキー市場に参入しました。
愛知県清須市にある清洲桜醸造。『鬼ころし』のほか、焼酎『ええなも』などを手掛ける、創業166年の老舗酒メーカーです。

そのメーカーの、意外なウイスキーづくりの現場に今回カメラが初潜入しました。

地下にずらりと並んだ、貯蔵用のウイスキー樽。その数およそ100個。中身は全部、ウイスキー『KIYOSU』です。

清洲桜醸造 澤田雄司さん:
「(樽で)5年間寝かせる期間がありますので、今まで待ち遠しいものがありました」
構想を含めた完成までの期間はおよそ8年。参入の背景にあるのは、空前のウイスキーブームです。
一昔前までは、「オジサンの飲み物」と言われたウイスキー。しかし、ハイボール人気などで今や女性や若者にも、“ウイスキーがお好き”な人が急増中。
2017年の1年間の消費量は、10年前の2倍以上に跳ね上がりました。

清洲桜醸造も、このブームに乗って市場に参入しましたが、そこにはノウハウを生かした「工夫」がありました。
澤田さん:
「ウイスキーは蒸留酒になりますので、焼酎蔵の蒸留器を使いまして、仕込みでは清酒酵母を使用して酒蔵ならではの特徴を出そうということで、清酒と焼酎、既存である設備を使って商品開発を進めてきました」
実はウイスキーは、焼酎と同じ「蒸留酒」。焼酎で使う蒸留器をそのまま使えるため、ウイスキーづくりのために新たに導入したのは、樽だけでした。

さらに、アルコールの発酵には「香り高くなるように」と日本酒の酵母を使用。香りはバニラ、舌にしっかり残る正真正銘のウイスキーとなったのです。

既存商品のノウハウを生かして開発した、正統派ウイスキー。今後はさらなる需要拡大を目指します。

澤田さん:
「日本酒のメーカーが作るウイスキーということで、自信をもってお勧めできるものができたかなと思います。ゆくゆくはエリアを拡大して全国や海外を含めて伸ばしていければ」
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