東海地方にお住いの方にはお馴染み、“でえたらぼっち”が登場する海苔のCM。ところが今、出演者を変えたそっくりのコマーシャルが放送されています。しかも出演しているのはあの大物スポーツ選手です。

 “でえたらぼっち”が出演する、おなじみ「浜乙女」のコマーシャル。今年、そのでえたらぼっちに強力なライバルが出現。しかも、そのライバルが出演するCMは浜乙女のCMに瓜二つ。

CMを見た人:
「家で見たとき、おもっきり笑いました」
「おもしろい!」
「こっちのがかわいい」

 そのライバルが出演するのが日清食品によるパロディCM。山からひょっこり現れたのは、“でえたらぼっち”でなく、プロバスケットプレーヤーの八村塁選手です。

1月1日から東海地方で放送されていて、浜乙女のCMそっくりですが、“海苔”ではなく“カップヌードル”を宣伝しています。

 これは、いったいどういうことなのか…浜乙女の本社を訪ねてみました。

 案内されたのは会議室。そこにいたのは、なんと“でえたらぼっち”ご本人。本家本元は自分だといわんばかりに、田植えのしぐさを繰り返していました。

 早速、お株を奪われたことについて聞いてみると、“でえたらぼっち”は「くやしい」「でも八村選手ならしゃあないぼっち」とコメント。

 怒るどころか山の大男の、大きな心で八村選手を受け止めている様子です。

 実はこのCM、日清食品がスポーツ振興活動の一環として各地のご当地CMをまねて作ったパロディCM。オリンピックイヤーの今年、期間限定で放送していて東海地方は“浜乙女”のCMを元に制作しました。

浜乙女 商品開発部 伊藤千夏さん:
「世界でご活躍されているスポーツ界のお三方が実写でパロディCMにご出演されていて、大変感激いたしました。八村選手は八村ぼっちになっていまして、つい笑ってしまいました」

 “でえたらぼっち”が登場する浜乙女のCMが初めて放送されたのは、今から35年前の1985年。

 アニメ「ヤッターマン」のドクロベエ役などで知られる声優の滝口順平さんがおじいさんの声を担当。大きな鼻と、垂れ下がったまゆげが愛らしい“でえたらぼっち”のキャラクターとともに東海地方に定着しました。

 ちなみに、特技は“利き海苔”で一口食べただけで、どこで採れた海苔なのかわかるんだそうです。そんな“でえたらぼっち”に目を付け、浜乙女に協力を要請した日清食品は…。

日清食品 広報部部長の大口さん:
「2020年を迎えるにあたりまして、間違いなく東京は盛り上がっているんですけれども、ちょっと待てよと、熱くなっているのは東京だけなんではないかと。そんな思いから地元から2020年沸かせたいとの一心で、地元企業さんとのコラボを制作したわけなんですね。浜乙女さんのCMは東海地方では非常に有名な地域限定のものなので、地元の方々に話題にしやすいということから選んだ次第です」

 と、選んだ理由を説明してくれた日清食品の大口さん、実は愛知県の出身だそうで…。

同・大口さん:
「まず懐かしいな~というのが率直な感想です。浜乙女さんののりは小さいときから食卓にありましたし、“でえたらぼっち”のCMもよく目にしていました。どっちかっていうと(ほかの地区は)錦織さんとか大坂さんがメインのものが多いんですね。東海地方は“でえたらぼっち”ということなんで八村塁選手が結構メインになっています」

 地元で愛されるCMと、世界的アスリートがコラボしたパロディCM。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け機運を盛り上げています。