新型コロナウイルスの影響で、東海地方の多くの学校が臨時休校となる中、働く現場では、在宅勤務や子連れ出社を認める企業も。子育て中の親をサポートする動きが広がっていますが、仕事によっては難しい側面もあるようです。

 愛知県小牧市の機械メーカー。親たちに手を引かれ、「出社」してきたのは子どもたちです。

 この会社では新型コロナウイルスによる学校の臨時休校中、預かり先がない社員の子どもを会社に連れてくる「子連れ出社」を2日から導入。4日は5組が利用しました。

父親:「あとでね」

子供:「バイバーイ」

 受け入れ場所は、最大100人ほどが入れる1番大きな会議室。

狭い空間に子どもたちが集まらないよう配慮しているほか、部屋も定期的に換気。社員が交代で様子を見守ります。子供達は折り紙をしたり、ゲームをしたり…。

子供:
「1人じゃなくて小さい子たちもいたから、他の子と遊べて楽しかった。家よりはこっちの方がやることがあるから(楽しい)」


 子どもたちが寝転がっているウレタンマットは、子連れ出勤の導入に合わせて購入しました。

総務部長:
「(子供だけで)家でずっといるのも不安でしょうし、それで会社が何かできればと思います。お子さんをお預かりするにあたって、少しでも喜んでもらえればいいのかなとは思います」


 働いている社員は…。

男性社員:
「幼稚園の娘は子供だけではちょっと不安だったので。会社で受け入れてくれなければ、どうしようか考えなきゃいけなかったので、会社に連れてきていいというのはありがたいですね」


 ありがたいのは、これだけではありません。

子どもと一緒に従業員食堂の利用もOKなのです。これで弁当を作る必要もありません。

母親:
「(当初は)お弁当作ってと言われたから、うわーって思ったけど、ありがたいと思います、本当に。ちょっと困ったなと思ってたので」

子供:
「(お母さんの会社での昼食は)なんか普通じゃないなーと思います。うれしい」


 男性社員が「外行くよー!」と子供達に声をかけ、屋外の敷地で鬼ごっこをする様子も…。

総務部長:
「お子さんが学校が休みになることによって、会社に出勤できない。私どもとしては大事な戦力がそういった理由で会社に来られないのも困ってしまう。では会社が何かできるんじゃないのかと。お父さんお母さん(の社員)も力強く思ってくれれば、サポートするんだよと少しでも思ってくれれば」


 一方、三重県津市の自宅にいたのは、三重県庁に勤める34歳の県職員。登庁時間の午前8時半を過ぎても7歳の長男と家にいました。

休校中、預け先がない子どもを持つ職員を対象に、三重県は4日から在宅勤務を可能にしました。

 この一家は同じく県職員の妻と小学1年の男の子、そして5歳の女の子の共働き家庭。4日は長男の面倒をみるため父親が在宅勤務にしました。

 人事課で、職員の研修などを担当する父親は、タブレット端末を使って研修文書を作成。長男も隣で勉強を始めました。ですが、長男は遊びたい盛り…。

Q.落ち着いて仕事できましたか?

父親の県職員:
「意外と集中してできました。思ったより静かにしてくれたので」


 この男性にとっては良かったという今回の在宅勤務。県も「職員の希望にできるだけ応えたい」としていますが、公文書が持ち出せないなどの制約も多いことから、彼に続く希望者は現在1人だけ。

 共働き家庭などへの現場のサポート体制、業種や仕事内容によっては多少の差もあるようです