風薫る5月。外はいい天気なのに、自宅で巣ごもり…。まして、ずっと家族と一緒で一人になる時間もなく、息抜きができない…。ともなると不満もイライラもたまる一方かもしれません。

 そんな「イライラ」をつい子供にぶつけてしまって、あとから「あんなことで怒らなきゃよかった」なんて思うことも。今だからこそ不要不急の「怒り」をコントロールするその方法をご紹介します。

母親:
「毎日家にずっといるとちょっとしんどいですね」

別の母親:
「子供がケンカするとイライラしますね」

別の母親:
「もう限界に近いというか、頭にくることありますね」


 ひたすら外出を控え過ごす日々。日中は仕事で家にいないはずの夫は在宅勤務。学校は休校になり、ずっと子供と一緒。

 そんなとき、つい「イライラ」っとして、もう我慢の限界となりますが…。

日本アンガーマネジメント協会の濱崎さん:
「アンガーマネジメントという、怒りの感情を自分で対処していくためのトレーニングをお伝えしている」


 「アンガーマネジメント」とは、イライラの原因を知り、自分の「怒り」をコントールする「テクニック」のこと。怒らないためにはどうすればいいのか?

 7年前から企業や教育の現場などで「アンガーマネジメント」を教えている濱崎明子さんに、“怒り”の仕組みについて聞きました。

濱崎さん:
「例えばライターを思い浮かべてもらうといいんですけど、ライターのガスの部分がネガティブなマイナスな感情です」

 まず、怒りの原因となるのは忙しさや、疲労などからくる、ネガティブな感情。私たちは普段、「こうあるべき」「こうするべき」という、理想をもって暮らしています。

 しかし…。

濱崎さん:
「ご飯の手伝いはすべきとか、勉強するべきとかそういうのが裏切られてしまうと、そこで火花がカチッとついてしまって怒りの炎が燃え上がる」

 子供は自分から勉強をするべき、夫も食事の用意を手伝うべき…。理想と現実のギャップが生まれると、ついついカッとなって怒ってしまう。“不安”という名のガスが溜まって、火がついてしまうのです。

 先が見通せないくらしは、「不安」を募らせます。

 「不安」から「イライラ」、そして「怒り」。では、その怒りの火をつけないためには、どうすればよいのでしょうか。

濱崎さん:
「何か言われたから言い返すとか。何か起きたときにカチンとなって、何か言っちゃったりやっちゃったりしないようにするために、実は私達、6秒待ってくださいと言っています」


 カチンと来たら6秒待つ…「STAY HOME」ならぬ『STAY SIX』。

濱崎さん:
「6秒間くらいたつと、理性が出てきて、ついカッとなって何かを言ってしまったりやってしまうような、反射をしなくなるんですよね。だから理性が復活するまで、まずは待つということをしてもらいたい」


 「カッとなって」「カチンときて」。濱崎さん曰く、理性を失っている時間は6秒間。

 つまり、この6秒を我慢できれば、理性を取り戻し“不要不急”の怒りを鎮めることができるといいます。いやいや、そうは言うけど、カチンと来ているんだから6秒なんて待てない…という人には?

 なるほど、それも、ごもっとも、じゃあ、どうすればいいんでしょうか?

濱崎さん:
「6秒深呼吸をしてみるとか、あと6秒数えるとか、首回すとか、肩回すとか。アンガーマネージメントってトレーニングなんですよね。最初はできなくても、1回2回3回とできるようになっていきますので、ぜひ何かをして6秒待っていただければと思います」

 怒りをコントロールするする「アンガーマネジメント」で、あなた自身も“穏やかに”過ごせるようになるかもしれません。