新型コロナウイルスの影響で、休業や時短営業を続ける店舗。愛知県豊田市では、こうした店などを狙った空き巣が5件相次ぎ、うち3件に関与したとして男が逮捕されました。

「新型コロナ」による客足減と、空き巣被害のダブルパンチに、被害に遭った焼肉店の店長が取材に応じました。

愛知県豊田市丸山町4丁目の焼肉店「炭咲」。

焼肉店の店長:
「ドアの壊し方もプロの方なのかなとちょっと思って、怖かったです。とりあえずコロナが憎いですけど、でも絶対その機会を狙っている泥棒さんもいると思うので」

 「コロナが憎い」と話す男性は、この焼肉店の店長。4月に空き巣の被害に遭いました。

4月18日午前10時半ごろ、店長が開店の準備をしていたところ、異変に気が付きました。

店長:
「ここら辺ですね。焼いて、焼き切られてガンッみたいな感じです。あそこの扉の穴で初めて『あ、やばい』となった。もう冷や汗で手震えて、すぐ警察に電話して」

 
裏口のドアに空いた大きな穴。ガスバーナーで焼かれた後、工具のようなものでこじ開けられたとみられています。

店長:
「こうやって来て、見て、タブレットと携帯端末は何事もない。パソコンがここに2台あったんですけど、これだけがない」

 売上金は自宅に持ち帰ったため無事でしたが、従業員の勤務管理などに使っていたパソコン2台、合わせておよそ16万円相当がなくなっていました。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月17日、愛知県が飲食店などに出した営業の自粛要請。

 焼肉店も県の要請に従ってその日から、午後11時までの営業を8時までに短縮。

 その翌、18日から19日の朝の間に被害に遭いました。

 新型コロナの影響で客足が遠のき、4月の売上は去年のおよそ半分に。

店長:
「4月に入って急に半分ぐらい売り上げが落ちて、4月の後半に時短営業始めたくらいに、こうやって(泥棒に)入られて…。ダブルパンチで大変です」


 さらに同じ日には、時短営業をしていた隣の飲食店でも、閉店後にレジにあった現金5000円と防犯カメラ1台が盗まれる被害がありました。

 豊田市内の飲食店では4月19日までに、半径2.5キロ圏内で同様の空き巣被害が、焼き肉店などを含め合わせて5件相次ぎました。

このうち、焼肉店を含む2軒は時短営業中。中には、今年3月に店を閉めた居酒屋も。新型コロナウイルスの影響で、客が減ったためとみられます。


 愛知県警は、この居酒屋に入り金品を盗もうとしたとして、店の元従業員・古閑伸也容疑者(31)を逮捕・起訴。

さらに、焼き肉店と隣の飲食店でも同様の犯行に及んだとして、11日に再逮捕されました。

〈古閑容疑者〉
「生活費に困ってやった」


 古閑容疑者は時短営業した店の閉店後を狙い、周辺の残る2軒の飲食店への窃盗にも関与していたとみられています。

 苦しい状態の店を狙った悪質な犯行。被害に遭った後、「ノーマネー、ノーパソコン」と書いた紙を裏口のドアに貼るなど、対策をとったあの焼肉店。

 容疑者の逮捕を受けて、店長は…。

店長:
「(捕まったのは)良かったですけど、泥棒はその人だけじゃないんで、これからも気を付けていこうと思います。現金を置かないのと貴重品は置かないのと、(防犯)カメラくらいは付けようかなと、今考えています」