東海3県では16日、25人に新型コロナウイルスの感染が新たに確認されたと発表されました。なかでも愛知県は1日としては過去最多に並ぶ21人でした。

 17日も293人と、2日連続で過去最多を更新している東京を由来とする感染者が増えています。その一方で、気になる感染の広がりも出てきました。

■逮捕された男から新型コロナの感染が拡大

大村愛知県知事(16日午後4時ごろ):
「最初の第1波が東京方面は収まっていなかったということではないでしょうか。憂慮すべき事態だと思っています」

 新型コロナウイルスの感染の再拡大について、こう指摘した大村知事。16日、愛知県では過去最多に並ぶ21人に感染が確認されました。このうち、東京を中心とした首都圏を由来とする感染者は9人。

東京では17日も過去最多の293人に感染が確認されていて、首都圏での感染拡大の影響が確実に及んでいます。

また、愛知県では新たなクラスターの懸念も。その1つが、警察署内での感染です。

豊橋市の担当者:
「40歳代の男性の方でございます。7月15日に岡崎市が発表しました10例目の患者と関係がある方」


 豊橋市で発表されたのは、愛知県警岡崎署の40代の男性捜査員。

岡崎署では15日、留置されていた容疑者の20代の男に感染が確認されましたが、取り調べに携わるなどしたこの男性捜査員を含む3人にも陽性が判明しました。

 さらに、岡崎署の留置場で男と同じ部屋に勾留されていた別の容疑者の男(20代)も感染。

このほか、犬山署でも留置場にいた容疑者の20代の男に陽性が判明し、この影響で、岡崎署と犬山署の警察官あわせて40人と、その家族ら18人が自宅待機となっています。

 県警によりますと、コロナ対策として逮捕時や勾留中の定期的な検温を実施。

また、取り調べ中のマスクの着用や消毒のほか、事情聴取は机2つ分の距離を取ってあたるなどしていたといいます。

 感染症対策に詳しい三重病院の谷口医師は…。

国立病院機構三重病院の谷口医師:
「手洗いしようとマスクしようと距離を離そうと、密室の状況であれば感染のリスクは出てくると思います」

また、警察官は医療の専門家ではないため、完全な対策は難しいと指摘します。

谷口医師:
「医療従事者と違って、(警察官は)日頃から感染症対策を取ったことはあまりないと思うんですね。いきなり100%感染対策をやれというのは難しいと思います」


■教師に感染判明の高校でPCR検査“対象外”の女子生徒が陽性

 一方、16日は岐阜県と三重県でも2人ずつ感染が確認されましたが、その中に、気になる発表が…。

岐阜県の会見(16日午後8時ごろ):
「10代、大垣市にお住まいの方。県立岐阜商業高校の生徒です」


新たに感染が確認されたのは、県立岐阜商業高校の女子生徒。7月7日に発熱や頭痛、味覚障害があり、一度は熱が下がったため、10日以降再び学校に登校していましたが、16日にPCR検査を受けたところ陽性が判明しました。

 県岐商では15日、40代の男性教師に感染が明らかになりましたが…。

岐阜県の会見:
「現在のところ、(男性教師と女子生徒が)接触があったとか、濃厚接触があったとか、接点は確認されていない」

男性教師の感染確認後、県岐商では接触があった生徒らおよそ200人を対象にPCR検査を進めていますが、この女子生徒はその対象外でした。

谷口医師:
「可能性としては(2人はそれぞれ)全然別のところから感染されたか、あるいは判明していない間にもう1人感染者がいて、その人を介して生徒に感染した、こういう可能性は考えられます」


谷口医師は感染後、発熱などの症状がでる前の陽性患者から感染するケースも多いとして、基本に立ち返って予防に努めるべきと指摘します。

谷口医師:
「感染が流行している地域から来た人の場合には、無症候でウイルスを持っていることも考えて対応する必要があると思います。『手指衛生』、『3密を避ける』、そういう基本を取る以外方法はありません」