新型コロナウイルスの影響で、家でごはんを食べる人が増えたこともあり、料理のレシピ本がいま、人気です。「レシピ本大賞」で受賞した本のレシピを実際に作ってみました。お手軽で納得の味が続々登場します。

■「5分でできる」「時短でできる」…増える“おうちごはん”に高まるお手軽料理のニーズ

 9月に発表された「第7回料理レシピ本大賞in Japan」。書店員と料理研究家による投票で最も優れたレシピ本を選考するものです。

 SNSで人気の料理研究家による『悪魔のレシピ』が大賞を受賞。お弁当を効率よく作るレシピが詰まった『藤井弁当』が準大賞に選ばれました。他にも『力尽きレシピ』など、気になるネーミングの本も。

 丸善名古屋本店でも、大きく「料理レシピ本大賞」が扱われていました。

 今年は、特に簡単に調理のニーズが高く「5分でできる」「時短でできる」などのタイトルの本が売れています。

■ピザの生地を「豚ロース」で…発想の展開が魅力なレシピ本

 大賞を受賞した『悪魔のレシピ』の著者のリュウジさんは、SNSを中心に人気を集める料理研究家です。

 「焼き鳥グラタン」や「ガーリックシチュー」など、ちょっと不思議な組み合わせが興味をそそられます。

 『悪魔のレシピ』からおすすめのメニューを2つ。最初は「悪ウマ肉ピザ」です。

<材料(1人前)>
・ 豚ロース肉:1枚
・塩コショウ:少し
・オリーブ油:小さじ1
・トマトソース:大さじ2
・ピザ用チーズ:30g
・パセリ:お好みで

 「悪ウマ肉ピザ」は、生地に普通のピザ生地ではなく、トンカツ用のロース肉を使います。

 まずは肉に塩コショウをかけて、両面を焼きます。

 焼き色が付いたらトマトソースを乗せ、チーズはたっぷりと。蓋をして弱火で蒸し焼きにするだけでできあがり。

 柔らかい豚肉とピザの味が絶妙にマッチ。簡単に作れて病みつきになるメニューです。

 『悪魔のレシピ』からのもう一品は「半熟カマンベールカルボナーラ」。

 材料は、卵にカマンベールチーズなど、パスタは5分ゆでのものを使います。

<材料(1人前)>
・パスタ(5分ゆで):1束
・コンソメ:小さじ1強
・塩:少し
・オリーブ油:小さじ2
・水:270㏄
・にんにく(みじん):1かけ
・ベーコン細切り:40g
・カマンベールチーズ:50g
・バター:10g
・卵:1個
・黒コショウ:たっぷり

 このレシピのポイントは耐熱容器を使うこと。パスタを半分に折って、交差して入れます。

 そこへオリーブオイル、コンソメ、ベーコン、水を入れたら、カマンベールチーズをたっぷりと乗せ、レンジで11分加熱。これだけで、麺はちょうどいい茹で加減になります。

 仕上げにバターを加えて混ぜ、とき卵を絡めればできあがり。使うのはレンジと調理器具だけ。

 「半熟カマンベールカルボナーラ」です。程よい硬さの麺と濃厚なカマンベールの風味が絡み合い、絶秒です。

 レンジでチン、お鍋も汚さず、主婦には嬉しいメニューです。

■朝の貴重な時間を節約…お弁当のおかずを効率的な調理で素早く

 レシピ本大賞で準大賞の『藤井弁当』は、料理研究家・藤井恵さんが、15年間、娘にお弁当を作り続けて考案したレシピが掲載されています。

 使うのは卵焼き器だけ。これで、おかず3品「ポークチャップ」に「塩ゆでアスパラ」「卵焼き」を効率的に作ります。ポイントは調理をする順番です。

<副菜の塩ゆでアスパラの材料(1人前)>
・アスパラガス:2本
・塩:小さじ1

<卵焼きの材料(1人前)>
・卵:1個
・水:大さじ1
・砂糖:大さじ1/2
・しょうゆ:小さじ1/3
・バター:5g

<主菜のポークチャップの材料(1人前)>
・豚ロース薄切り肉:4枚
・トマトケチャップ:大さじ2
・サラダ油:小さじ1/2
・しょうゆ:小さじ1

 まずは副菜の「ゆでアスパラ」から。卵焼き機に水を入れ、沸かしたお湯に塩を入れたら、切ったアスパラを1分茹でます。

 茹で上がったらお湯を捨て、今度は「卵焼き」へ。水と砂糖、醤油、バターでオムレツ風にします。

 最後に主菜の「ポークチャップ」へ。豚ロース肉にケチャップと醤油をつけます。

 そのあと、両面を1分ほど焼きます。

 あとはご飯が入ったお弁当箱に詰めたら完成です。

 アスパラガス、卵、肉の順で調理をすることで、いちいち卵焼き器を洗わなくて済みます。少しのことですが手間を省け、朝の貴重な時間を節約することができます。

■体力がもう残っていない…そんな時は少ない種類の材料と工程でお手軽レシピ

 そしてもう一冊、ユニークなタイトルの『力尽きレシピ』です。「もう力が尽きて、ご飯を作りたくない」という日でも、手軽においしい料理を作れるレシピがあります。

 例えば、体力が残り20%の時には包丁を使わずに作る「麻婆豆腐」。残り5%の時は、お茶漬けのもとで作る「和風混ぜうどん」などが紹介されています。

 最初のおすすめのレシピが、焼き鳥缶とレンジで作る「ズボラ親子丼」です。

<材料(1人前)>
・焼き鳥缶:1缶
・卵:2個
・めんつゆ(2倍濃縮):大さじ1
・マヨネーズ:小さじ1
・温かいご飯:茶碗1杯

 卵を2つ溶いて、焼き鳥缶をタレごと入れます。めんつゆとマヨネーズを入れて、ラップをしてレンジで2分半加熱。卵がふんわり「ズボラ親子丼」の完成です。

 焼き鳥の缶詰だけあって味がしっかり入っていて、卵とタレが絶妙にマッチします。

 具材を入れてレンジで温めるだけ。洗い物をしたくない、今から火を使いたくない、そんなお疲れの主婦に最適のメニューです。

 最後にもう一つ。「残りの体力が5%、もう動けない」という方におすすめは「ツナとまいたけの炊き込みごはん」です。

<材料(1人前)>
・米:2合
・ツナ缶:1缶
・まいたけ:1パック
・めんつゆ(2倍濃縮):大さじ4
・しょうゆ:大さじ1

 作り方は、お米を研いでめんつゆと醤油、水を加えます。まいたけを手でちぎって入れ、軽く汁を切ったツナ缶をのせてあとは炊くだけ。

 とても簡単に、コクのある炊き込みご飯が完成です。

 お手軽に納得の味が作れるレシピ本大賞のメニュー。忙しい毎日に活用してみてはいかがでしょうか。