コロナで不安が渦巻く時代に、悩める人々が集まる場所が「占い」です。仕事から恋愛の悩みまで…。コロナで一変した生活の中、人は何を占ってもらうのでしょうか。
■「今の恋人と結婚していいのか」…悩める23歳保育士の女性の相談

名古屋駅の名鉄レジャックにある「占いの城 千夜物語」。33年前にオープンし、現在は日替わりで12人の占い師が鑑定しています。

そこにやってきたのは、名古屋市に住む23歳の保育士。交際期間2年半の恋人との結婚について相談に来ました。
保育士の女性:
「本当にこの人と結婚してもいいのかな、みたいな」

恋愛には不安が付き物。彼との相性を占います。
占い師:
「めちゃくちゃ相性いい。自信もっていい、そんなこと心配しなくてもいい」
保育士の女性:
「すごい来てよかったです、いい事ばっかり言ってもらえて。自分が考えすぎるのが悪い癖だなと思ったので、切り替えていこうって思いました」
■占い師「できない夫婦には見えない」…妊活で悩む女性の背中をそっと押す

続いてやって来たのは、愛知県に住む26歳の女性。占うのは、昨今増えている「妊活」についてです。
妊活中の女性:
「去年ここで占ってもらって当たったので、今年も占ってもらいたいなと。妊娠しやすい日とか、月ごとに教えてくれるんですけど、それが当たってました。全部」

去年3月、こちらの占いが的中し妊娠しましたが…。
妊活中の女性:
「1年に1回は(子供が)できるんですけど、ダメなんですよ」

占い師:
「(夫が)ダメかな、なんてちょっと弱気になってるから、2人で頑張ろうみたいに励ましていくといいね。(子供が)できない夫婦には見えないからね。タイミング見計らって」
占い師の言葉が、優しく背中を押してくれます。
■コロナ禍で占いもリモートで…スマホ使って依頼者のマイホーム計画を占う

一方、スマートフォンに話しかける占い師も…。コロナ対策のため、去年5月から始めた「リモート占い」です。
依頼者は東京在住の20代の女性。夫と2人暮らしで現在妊娠中です。家族が増えるため現在マイホームを計画中で、この日は候補の土地との相性を占ってもらいました。

マイホームを計画中の女性:
「もちろんすべてを占いで決めようとは思ってないんですけど、やはり大きな買い物になってくるので…。もうちょっと探して自分がピタッとくるまでは、見てみようかなと思いました」
■八方塞がりの年は何をやっても…転職繰り返す男性を占う“名古屋のゴッドマザー”

煌びやかな服装でやって来たのは、この店の生みの親・マダム山陽さんです。占い歴およそ50年、“名古屋のゴッドマザー”と呼ばれ、当たると評判です。大企業の社長の社内人事の相談から、禁断の恋、子供の名前まで。数え切れないほど占ってきました。

そこへ男性が1人でやって来ました。名古屋市に住む会社員の加藤さん(27)。転職先での人間関係に悩んでいます。
加藤さん:
「今いる所(職場)が全然だめなので…。前に8年位いたんですけど、パン工場の方に戻ろうかなと」

以前は長くパン工場で働いていましたが仕事がきついこともあり、一昨年辞めました。その後2度転職しましたが、どの職場でも人間関係でうまくいきませんでした。占ってもらうと…。
マダム山陽さん:
「八方塞がりなんですよ。こういう時に会社変わっても、よくなるということは普通はあり得ない」
生年月日でみると、加藤さんにとって八方塞がり。何をやってもうまくいかない年に転職していたことが判明したといいます。

マダム山陽さん:
「(手相を見て)これは、自分の運命を自分の力で切り開いていけるという、とっても良い線なんですね。あなたは自分の運命を自分で考えて、やった方がいい人ですよ。頑張って、やってみて」
悩める若者に優しくハッパをかけます。
マダム山陽さんの所には、去年から働き口が無い若者、そして突然解雇された中年からの相談が増えたといいます。山陽さんは、少しでも希望を持って前を向けるように占ってきました。
占いから1か月…。加藤さんのその後は…。
加藤さん:
「結局その時勤めていたところは辞めて、前いた職場に戻ろうかなというのは明確にしています」

マダムの占いでかつての職場仲間の大切さに気付き、再びパン工場に戻って働くことを決めていました。加藤さんは、「占いで人に恵まれていると言われ、確かにそうなので周りの人を大切にしていきたい」と話します。
占ってもらったことで、中途半場ではなく覚悟を決めて働く事を決意。気持ちを新たに再スタートです。
■「悪くはなかった」「気持ちが楽になった」…占いに訪れた人たちが踏み出す新たな一歩

占いは悩める人の心を動かします。バイト先で出会ったイケメンに片思い中の20歳の女性大生。好きな人に思いを伝えたい。
大学生の女性:
「相性を見てもらったんですけど、悪くはなかったので頑張れたら頑張りたい。ごはん誘います」

今の仕事を続けるべきか…。自らのキャリアに悩む50代の女性。気負わなくていいとのアドバイスを受けました。
事務職の女性:
「コロナがあって、先行き不安じゃないですか。(占いで)気持ちが楽になったので、ありがたかった」

時に頼りたくなる「占い」。そこには新しい一歩を踏み出す人々の姿がありました。